2008年8月の小ネタ

「世界はあたしでまわっている」 [id]

なんだか知らないけど、Amazon で「DS-10」とか「リズム天国」を買おうとしていたら、 唐突に推薦されたのが、「世界はあたしでまわっている」(amazon)というゲーム。 ふとカスタマーレビューを読んでみたら、タイトルやパッケージデザインからは意外なくらいの好評価を得ていたので、 つい買ってしまった。

やってみたら、たしかに意外に面白かった。一番の特色は「わがまま」システムで、 これは、ポイントの許す範囲内でゲームの進行を自分に都合のよいようにねじ曲げることができるというもの。 言ってみれば懐しの「ワープス」のヒーローポイントのようなものだが、 地形を変えたり敵を追い払ったり、果てはクエストを強制的にクリア扱いにしてみたりと、 強烈な「わがまま」が許されるようになっている。もちろん、ゲーム自体はそのわがままを使うことが折り込み済みなので、そんなに楽には進行しないのではあるが。 あと、もうちょっと強烈なわがままがあれば面白いのだが、結局魔法と同じような扱いだとも思える程度のものしか用意されていない。

こういうワンアイデアものが出せるのが、DS というプラットフォームの強みなんだなぁ。

関係ないけど、Google で検索したら同じ Amazon の取り扱い商品でも、 こんなのが引っかかった。

2008.8.1

学研「大人の科学マガジン」のシンセサイザーを演奏してみた [id]

学研「大人の科学マガジン別冊シンセサイザー・クロニクル」(amazon)についてくる、1 VCO シンセサイザー「SX-150」を演奏してみた。

演奏インタフェースはカーボンパネル一発、つまりドレミの音階を刻まない連続音階なので、 テルミン的演奏にならざるをえない。それでも頑張って弾いてみるとこんな感じ。 ちなみに、つまみをいじりながらの演奏をする場合は動画のような位置で演奏するのがやりやすい。

ついでにニコニコ動画にも投稿してみた。これがニコニコ初アップロード。

2008.8.2

リズム天国ゴールド [id]

「リズム天国ゴールド」(amazon)も、パーフェクトがあとみっつというところまで進んだ。 残るは「ピンポン2」「リミックス8」「リミックス10」。

ゲーム自体は凄く面白いです。遊びの要素満載だし、とにかくやっていて楽しい。 一方で自分のリズム感の悪さも浮き彫りになるのが辛いところですが…。 機械が刻む一定のリズムに合わせて叩き続けることがどうも苦手なようです。 高橋幸宏はやはり偉大だった。

ところで、ゲームを進めていくと遊べるようになる「リズムおもちゃ」というのがある。 ゲーム要素はなくて、鳴らして遊ぶまさにおもちゃなんだけど、このうち「電話」というやつが、 プッシュボタンを押すと音が鳴るだけで、いまひとつ何が面白いのかよくわからなかったんだけど、 先日やっとこさ「ああ、そういうことか!!」と、これの存在意義を発見することができました。 最近、この手の隠し要素はたいていウェブからの情報にお世話になっていたので、 久しぶりの自力発見がちょっと嬉しかった。

何のことかよくわからない方は、「名刺」「ライブコンテスト」をよーく注目。 「ゐあひ斬り外伝」にも出てくる。他にもあるかもしれない。

2008.8.13

コンピュータビジョン・拡張現実感に関する普通じゃない勉強会 [id]

先日、工学ナビの橋本君が開催した、「コンピュータビジョン・拡張現実感に関する普通じゃない勉強会」に出席してきました。

橋本君が主催、出席者の多くがニコニコ技術部界隈ということもあって、 若い人がほとんどかと思いきや、会場の一画は大学の先生(というかよく知った面々)で占められているし、 元MR研関係者や携帯電話関連の企業の研究者はいるわで、 なかなか不思議な空間と化していた。

それにしても、Virtual Reality とか Augumented Reality とか Mixed Reality なシステムを誰でもポンと作ってニコニコ動画で映像を公開するような日が本当にやって来たんだなぁ。 ARToolKit なんて、源流となった Matrix から数えると 12年前の技術な訳で、 それが今になって急速に広まるようになったというのは、一体どこに原因があるのか。 「電脳コイル」というコンテンツだけで説明できるものではないだろう。 我々が学会でやっている事って何だろう、ということにもなってくる。

という訳で、長年 WISS は研究者が集まって議論を交わす濃密な空間を醸成してきたのだが、 それだけでなく、広く社会一般にその成果を還元しようではないか、 という内容の企画を現在プログラム委員長の小池先生が中心となって画策中である。 どんな形式の企画になるかも未定だが、誰でも気軽に参加できるお祭のような企画にはしたいと思っている。

詳細が決まり次第、告知を出していきますんで、乞うご期待。

2008.8.14

OcREILLY お蔵出し開発会 [id]

前述の「普通じゃない勉強会」 の後、橋本君らを自宅に招いて、久々の OcREILLY 的活動をしました。 題して「OcREILLY お蔵出し開発会」。 普段、ネタを出すだけ出して作らなかったネタを、ここらで一気にまとめて作ろうぜ! 出来上がったモノは片端からビデオに撮ってニコニコ動画にアップロード! という事で、橋本君と同僚の上村君、電通大小池研の学生さんとで、 二泊三日の蔵出しをしてました。

ただ、二泊三日といいつつも、参加者全員が「普通じゃない勉強会」にも出席していたためその疲労も手伝い、 実質一日弱程度しか時間が取れず、どれも完成には至らずという低鱈苦。 結局二日目の夜にみんなで飲みながら晩飯を作っていたときに開発された、 「銀火丼のマヨネーズのせ」が唯一の完成作らしい完成作というオチでした。

ちなみにこれは、かつて作った「銀火丼」 に、「カツオにはマヨネーズがあう」という美味しんぼ情報にヒントを得て、 学生さんが即席でマヨネーズを作り出して (家にはマヨネーズを常備していないので) 乗せてみた、というもの。銀火丼に欠けているこってり感がいきなり補完され、 滅法うまかった。

2008.8.14

SATA HDD のコネクタが壊れた [id]

しばらく使っていなかったキューブPCを久しぶりに取り出して電源を入れてみたら、 BIOS の起動シーケンスで止まってしまう。しばらくケーブルの接続ミスなどを疑って差し直したりしてみたものの、 まったく改善されない。もしやと思い、蓋を開けてみたらまぁ、メモリは外れているは、 HDD のケーブルは抜けてるはで、こりゃぁ起動しないのも道理だ。 引っ越しのときに衝撃を受けたかな。で、HDD のコネクタを差し直そうとして、 とんでもない事態になっていることを発見、思わず悲鳴を上げてしまった。 HDD の SATA コネクタが壊れていたのだ。


上が正常、下が破損したHDD。

これじゃぁ、HDD内部に何の破損もなかったとしても、もう使いものにならないではないか。 それ以前に、中のデータを救い出す術がない(ないこともないけど、非常に面倒)。

ところが、破損部を詳しく見ると、壊れているのは樹脂製の凸部が折れたのみ、 金属端子そのものは、そのまま空中に浮いているのだ。ということは、 金属端子部だけしっかりとつながれば、一応はまだ使えるということか? という訳で、何の手も加えずそのまま SATA ケーブルを差して、 端子がしっかりと接触するように角度を与えてやって電源を入れてみたところ、 なんとまぁ、正常にアクセスできましたよ!

実際のところは、エラー訂正の機構に支えられてなんとかアクセスできている、 という状態なのかもしれないけど (後で SMART 情報でも見てみようか)、 ひとまず OS が起動して中のデータを吸い出せる程度には使えている。 うまく折れた部分を補ってやれば、常用も可能かもしれない。

それにしても、HDD 本体の方を折れる危険性の高いオスにして、 いくらでも交換可能なケーブルの方をメスにするというデザインはいかがなものか、 とは僕も思うけど、なかなかどうしてオスも意外にタフなのだった。 メスは機構上、緩くなってきた時などのメンテナンスが極めて困難なのに対し、 オスの方は機構も単純だからいじりやすいというメリットもあるのだった。 嫌だなぁ、コネクタの話ですよ。

2008.8.17

TENORI-ON のアンプラグド版を作ってみた [id]

先日のお蔵出し開発会の成果の一つ、 TENORI-OFF のムービーを公開。

TENORI-ON 見たときに思いついたネタをやっとこさ実現しました。 なにかしら勢いがないとこういう思いつきだけのネタを実際に作る気力が出ない歳になってしまったなぁ。 とかいいつつ、開発会の後に一度作り直して、夜中にムービー編集してたりした訳ですが。

2008.8.23

「サイエンス・イマジネーション」 [id]

去年の世界SF大会での、 瀬名秀明企画「サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!」の発表・討論の模様をまとめたものに、討論に参加したSF作家がいわば「返歌」として書き上げた新作短編を収録した「サイエンス・イマジネーション」(amazon) が発売になった。瀬名企画の本番を手伝った縁で、 同書の脚注の一部を執筆していたので素直に嬉しい反面、少し怖いことも。

というのも、この企画には中島秀之先生や松原仁先生など業界の大御所も発表されていたので、 彼等の文章に脚注を入れるのも僕の仕事だった訳だが、フレーム問題とか記号接地問題とか、 まさしく彼等が一番力を入れていた分野について注を書くというなんとも畏れ多い仕事だったからだ。 「小松左京監修」の文字も神々しいこの本の脚注を書くのは、論文一本書くよりも疲弊した。

たまたま、脚注の執筆が終わった直後に中島・松原両先生と飲む機会があり、 その旨あらかじめお伝えしておいたので、あれを僕が書いたということはすでに御両人には伝わっておりもう逃げも隠れもできないのだが、 いまだに呼び出しが来ないという事は、ひどい間違いは無かったということと受け取って安心してよいだろうか。

余談になるが、件の企画が終わった直後の瀬名さんの落ち込みようたるや凄まじく、 打ち上げの席で僕が何気なく瀬名さんに「研究者の方の面子は、なんで(ロボットと知能を中心とした)こういう人選だったんですか?」という質問をしたところ、 その質問を「なんでこういう(好き勝手喋り時間配分が失敗するのが明らかな)人選だったんですか?」とどうも受け取られたらしく、 「いや本当にもうすいません」とひたすら謝ろうとされていた。 その時の心境は瀬名NEWS の記事にも表明されている

それが最終的にはちゃんと本が出るところまで持ち直したのは、 テッド・チャンからのメールがなすところ大であるのは間違いない。 どんなやり取りがあったのか知りたいところではある。それにしても、 しばらく「SF怖い」状態だったらしいのは瀬名NEWS にある通りだが、 先日の DAICON7 での瀬名企画では、そんな様子は微塵も感じられなかったなぁ。

2008.8.31