2007年1月の小ネタ

1日 [id]

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

3日 [id]

正月に親戚で集まった席上で、血液型別の性格の話題になってしまった。 僕はこの話題は出るだけでも不愉快というくらい、血液型による性格判断というのが大嫌いなんだけど、 だからといって、そういうのはおかしいと言い出して場をシラけさせないだけの分別もついてしまったのだが、 なんともやるせない。

という訳で僕は現時点では血液型と性格の相関については否定的な見解を持ってはいる。 学術的に認められた大規模調査の例は聞かないし、個人的な経験からいってそんなによくあてはまるようにも思えない。 よしんば統計的に有為な相関が将来認められたとしても、 それを人に対してあてはめようとするのはとても失礼だし善いことには思えないのだ。 せめて、それを口に出さずに心にしまっておけ。「女は〜だから」とか言ったら睨まれるご時世なのに、 血液型で人を云々するような、性差よりも根拠に乏しい言動がどうして許される?

しかしながら、血液型と性格の相関関係がまったくないとする根拠も、また無い。 将来それが統計的に立証される可能性もあるのだ。 (もっとも、あったとしても100人中100人にあてはまるような強力な相関ってのは出てこないとは思うが)

ところがここに、とてもよく当たる、血液型性格判断を用いた相性判断テストがあるのだ。 次の設問に「はい」か「いいえ」で答え、「はい」の個数を数えてください。

  • 血液型と性格は関係すると思う
  • 初対面の人に血液型を尋ねることがある
  • 血液型性格判断を、人づきあいの上で参考にする
  • 血液型と性格は、絶対に関連しないと断言できる
「はい」が2個以上あった方
あなたと私の相性はとっても悪いです。
「はい」が1個の方
相性はなんともいえませんが、どこかで衝突することがあるかもしれません。
「はい」が0個の方
私とは無駄な話題に時間を割くことが無さそうです。

8日 [id]

博士課程の学生をネタにした連載漫画 PhD の1月5日の回で、インスタントラーメンの発明者、 安藤百福氏を追悼する漫画が掲載されている。

連載において、貧乏学生の友としてインスタントラーメンが何度も登場してきている。

ま、こうやって眺めると、貧しさや安易さの象徴のように描かれてはいるものの、 だからこそ学生に親しまれ、また愛されているのだなぁとも思える。 こうして海の向こうで安藤氏の業績がきちんと評価されているというのは、 やはり彼の成し遂げたことの偉大さ故であるのだなぁ。

10日 [id]

ウィリアム パウンドストーンはなかなか面白い作家だ。 古くから科学ジャーナリストとしての仕事をしており、「囚人のジレンマ」などの著書がある。 その中でなかなか珍妙な本が「The Recursive Universe (ライフゲイムの宇宙)」 (amazon) だ。

この本は John Horton Conway の発明したコンピュータゲーム "The game of life" (通称「ライフゲーム」)の解説と、シャノンの情報理論やエントロピー理論の解説とを交互に折り混ぜつつ、 最終的には、フォン ノイマンが提示した「機械は自己再生が可能か?」という命題に対する解答へとなだれ込んでいくという不思議な構成になっている。 宇宙形成から生命が誕生するまでの過程について、そして自己再生する生命という不思議な存在についてを、 「混沌と秩序」という観点から、マクスウェルの悪魔やビッグバン理論などを取り上げつつ解説している。 ともすれば難解になりがちな科学理論の話題を扱ってはいるが、 巧みな例え話をまじえながら、わかりやすく解説している。 フォン ノイマンの伝記なども挟み込まれ、楽しく読める。

ライフゲームを遊んだことがあれば、生命の創造に立ち会うような不思議な面白さを感じたことがあると思うが、 なんとなく感じていたその魅力の正体をしっかりと見抜き、 豊富な科学理論の解説と絡めて紹介することに成功したパウンドストーンの力量は、 あらためて凄いものだと感じる。パウンドストーンの著書では他に最近とても有名になったものに、 「ビル・ゲイツの面接試験—富士山をどう動かしますか?」 (amazon) がある。 解決困難あるいは不可能な問題に対する回答の仕方を見て判断する採用面接について、 その意義や理論的裏付けを調べたものだ。こうした 「あまり知られていない内情」への興味が高じてか、その後秘密三部作 (「大秘密」(amazon)・ 「大疑惑」(amazon)・ 「大暴露」(amazon)) なる、コーラの製法やらマジックのタネや催眠術ショーの内幕などを暴露する本をものしている。

§

ところでマクスウェルの悪魔といえば、その名も 「マックスウェルの悪魔」(amazon) という、ブルーバックスから出た都筑卓司の名著がある。 初版が出たのが1970年だから、もう30年以上前に著されたものであるが、 「エントロピー」という概念について、様々な実例を示しながら懇切丁寧に解説している良書だ。新装版が出るのもうなずける。 ただし、マクスウェルの悪魔の逆説の解決の仕方は残念ながら不完全だ。 先の「ライフゲイムの宇宙」その解決は詳細に述べられているので、 そちらを参照して欲しい。

11日 [id]

R2D2 型プロジェクター。 他にも R2D2型 Web カメラも。リモコンはそれぞれミレニアムファルコンやライトセーバーの形をしている。もうバカバカ!! すげー欲しい!!

20日 [id]

うーん、グーグルの日本法人って大丈夫なんかいな。 研究開発部隊はいいんだろうけど、営業とか広報の部隊、だいぶ問題があるような。 「グーグル八分」や「アドセンス狩り」への対応とか、実にたどたどしい。 今日送られてきた技術講演会のお知らせにしても、 一度文字化けメールを送りつけてきて、その後すぐに直った版を送ってきたのはいいんだけど、 その前に送った文字化けメールについてはまったく触れていない。

前に研究開発部隊の人に「日本法人大丈夫なの?」と聞いてみたことがあるんだけど、 「組織上ほとんど関わりがないし…」と、我関セズだ。 まがりなりにも "Don't be evil" を掲げているんだからさぁ、もうちょっとこうした事に敏感になって欲しいなぁ。

23日 [id]

最近は黙々とコーディングの日々。主に Ruby で書いている。2000年末に NHK のとある部署向けにアプリを書いて以来久しぶりに大きな (といっても今のところ 3000 行にも満たない程度だが) Ruby プログラムを書いている。 Ruby 流の mix-in や Module の使い方もだいぶ分かってきて、 もうこれで Ruby プログラムはスラスラ書けるようになったてきたかと思ったら、 今度は WEBrick やら eRuby やらの外部ライブラリの方でやはり文書が壊滅的なまでに未整備で、 何度も何度もそれらのソースコードを読むハメに。

ところで、結局 eRuby はやめて Erubis を採用することにしたのだが、その決断までの過程をまとめておく。

要件:

  1. 最終的な XHTML を出力するにあたって、テンプレートとコードは分離したい。
  2. テンプレートは極力 XHTML として受理可能な形にしておきたい。(Web ブラウザでざっと確認できるよう)
  3. サニタイズ漏れなどのないよう、デフォルトでテキストデータはエスケープ処理して欲しい。
eRuby
エスケープ処理がデフォルトでない。ドキュメントがまったくない。
ERB
eRuby とほぼ同じ。
わびさび (qwik)
テンプレートの概念がない。
Amrita
メンテが止まってる?
Erubis
要件はすべて満たす。

それでも色々書くうちにテンプレートにどんどんコードが侵入していってしまい、 あまり美しくないのだが、かといって Kwartz の導入にまでは踏み切れなかった。ロジックの記述が新たな言語になっていて、 これをあらたに理解するコストは払えないという判断。

24日 [id]

Debian etch 上で、XML カタログを独自に登録する方法:

ここでは public ID が "-//FOOBAR/FOO 1.0//EN" である DTD が /usr/local/share/xml/foobar/foo.dtd に保存されているときに、 それを登録する手順を説明する。 Debian の XML カタログでは「パッケージ」という概念が出てくるが、 複数の DTD ファイルをグループ化したものだと思えばよい。ここの例では "foobar" というパッケージ名にしておく。

DTD ファイルを /usr/local/share/xml/foobar/catalog.xml に登録する。
update-xmlcatalog --add \
--local /usr/local/share/xml/foobar/catalog.xml \
--type public --id "-//FOOBAR/FOO 1.0//EN" \
--file /usr/local/share/xml/foobar/foo.dtd
Debian が管理するパッケージ毎のカタログファイルに登録する。
update-xmlcatalog --add --package foobar \
--local /usr/local/share/xml/foobar/catalog.xml \
--type public --id "-//FOOBAR/FOO 1.0//EN"
総合カタログ (/etc/xml/catalog) に登録する。
update-xmlcatalog --add --root --package foobar \
--type public --id "-//FOOBAR/FOO 1.0//EN"

一番目の工程は、catalog.xml がすでに存在する場合は必要ない。

28日 [id]

今日から、Intelligent User Interface という会議に出席するため、ハワイへ。 わーいハワイ。とはいうものの、今日は真面目にワークショップに参加していたのでお遊びはなし。 それでも、ワークショップではグループに分かれた後、ビーチに繰り出してみんなで寿司をつまみながら議論したりしていた。 Microsoft Research の人が、「ビルゲイツのおごりだよ!」といって寿司をおごってくれた。

29日 [id]

今日から本会議。すこーしサボろうかなと思っていたら、島中が暴風圏内で、 海からは水しぶきが飛んできて道路が濡れるくらいの荒れっぷり。 サギだー!

§

夜は島の反対側に移動してのハワイ式宴会。しかし暴風は継続中。 ハワイ大の人達とだべっていたら、突然隣の人に「ケンタロ!手を挙げて!」 と腕をつかまれたのでなすがままになっていたら、ステージに引っ張り上げられてしまった。 何かと思ったら、「フラダンスコンテスト」でありました。 しょえ〜。やはり日本から来ていた京大の中村さんにバッチリ写真を撮られてしまった。

31日 [id]

それにしてもワイキキは退屈だ。ビーチは暴風で入れないし、 買物するにしても高いし、観光するにも、わざわざ観に行きたい感じでもないし。 土産ものは空港で買おうと思ったら、これもえらく高い!逃げるように帰ってきてしまった。