2012年5月の小ネタ
「象は世界最大の昆虫である: ガレッティ先生失言録」
第一回ニコニコ学会βシンポジウムの様子をまとめた書籍「ニコニコ学会βを研究してみた」が5月8日に発売になります。私が進行を担当した第4セッション「未来世紀のピアピア動画」は、野尻抱介さんの「南極点のピアピア動画」の出版前に行われたのですが、いま読み返すと感慨深い内容となっています。後藤さんから新しく「論文を書くだけでない研究の醍醐味」という小論をご寄稿いただいていますので、ぜひお手にとってお読みください。宣伝々々。
さて、この書籍の中にはニコニコ学会関係者が薦めるブックガイドなるページがある。ここで私は服部之総の「黒船前後・志士と経済」を推薦しているのだけど、校正段階で他の委員が推す本の推薦文も一緒に回ってきたのでついでにふむふむ読んでいたら、気がつくと3冊ほど Amazon の買い物カゴに放り込んでいた。おそるべしブックガイド…。
で、ブックガイドで@myrmecoleonさんが推していた「象は世界最大の昆虫である: ガレッティ先生失言録」(amazon)を読んでみた。ガレッティは18世紀後半にドイツのギムナジウムで教えていた教授。その業績よりも、講義中に放った数々の失言録が出版されてしまったせいで有名になってしまったという人物。邦題として取り上げられた「象は世界最大の昆虫である」以外にも、
「神は不死である。かかるがゆえに、死なない」
「ローマの日時計は驚くべき発明である。それは日の出とともに整然と動き出し、日没とともにピタリととまった」
「鉱物のなかで最大の獣が象だ」
などなどの名失言が沢山収録されている。教師らしい失言も数多く残されているが、
「教師はつねに正しい。たとえまちがっているときも」
「生意気は、一年生が四年生になるまでに、とっくにすましておくべき美徳である」
まで来ると、もはや失言というよりはむしろ金言として拝聴すべきではないかという気さえしてくる。
ところでこの本の編・訳者である池内氏のあとがきに、実はこの本は架空の「ガレッティ」先生なる人物の失言という体裁をとった、池内氏本人の失言録なのではないかと友人に疑われたエピソードが書かれている。なるほどそれはうまい手だと思い検索してみたところ、残念ながら実在した人物のようで、Wikipedia のドイツ版にも記事があった。しかしまさかここまで捏造の手は及ぶまいが、本さえ出版してしまえばリファレンスがつけられるから、頑張ればちょっとした人物くらいデッチ上げられそうだよなぁ。
Ubuntu 12.04 の GTK-3 アプリで UIM が使えない不具合への対処
64bit 環境の Ubuntu を 12.04 へアップグレードしたら、Gnome Terminal で UIM を使った日本語入力ができなくなっていた。Input Methods リストを開けてみると、"uim" が表示されず、なぜか iBus が選択されていた。どうも im-uim.so を認識してくれていないようだ。試行錯誤のあげく、
- admin で作業
- /usr/lib/gtk-3.0/3.0.0/immodules/im-uim.so を /usr/lib/x86_64-linux-gnu/gtk-3.0/3.0.0/immodules/ へ移動する
- dpkg-reconfigure libgtk-3-0 を実行し、immodules.cache を更新する
以上の作業をしてから再度ログインし直すと、無事 Terminal から UIM 経由で日本語入力できることを確認できた。(#999064)