1999年10月の小ネタ

19日 [id]

一度は止めたweb日記、なんとなく復活させてみた。日記を人に見せるというよりは、小話未満の小さいネタを無理矢理公開できる形にまとめたい、という思惑があったりする。はて、どれくらい続くかしらん。

がしかし、手始めに何を書くかを十分ぐらい考えている段階で、早くも破綻の兆しを感じる。ここはとりあえず何でもいいから書いた方が良いだろうか。小麦粉をこねるとき「耳たぶの固さに」とかよく言うが、耳たぶの固さなんて人によりまちまちなんだから、基準として用いるには不適切ではないだろうか、と言われて、咄嗟に「耳たぶの固い人は固い食感を、柔らかい人は柔らかい食感を好むので問題ない」という説を思いつく。これ結構正しいような気がしてきた。

20日 [id]

オースン=スコット=カードの「エンダーのゲーム」の映画化企画があるらしい。なんでもエンダー役に「エピソード1」のアナキン役をやった子供が予定されているとか。バトルルームや「フリープレイ」などの映像化困難な場面をどう実現するか、という点ではとても楽しみだが、エンダーという特異な人格を持った子供を誰が演じられるというのだろう。そういう意味では「たったひとつの冴えたやり方」のコーティーも、配役でもめそうである。

21日 [id]

最近よく見かけるようになった「-宙」。ドキュメント不足というかその質が低いというか、何を目指しているのか、どこに面白味があるのかさっぱり伝わってこない。“文系学生”の癖に文章力が無いというか。そこで情報不足を補うためにオレ宙を作り、体験してみる事にした。それが「松岡さん出張宙」。とりあえずは「エージェント付き掲示板」と思って使ってみよう。松岡研日記戦線の皆さんに是非参加して欲しい。 (本来はコミュニケーション支援を目的としているようだから、こんな局所的なコミュニティのための宙を作るのはその目的にそぐわないような気もするのだが)

22日 [id]

夜中の4時頃まで寝つけずに輾転反側していた。というのも、何かがひっかかっている感じがどうしても消えなかったためなのだが、突然思い出した。晩飯を喰うのを忘れていたのだ。それまでは腹が減ったという感覚はあまりなかったのだが、この事に思い当った途端に猛烈な空腹感が襲ってきた。で、今こうして肉まんなぞ喰いながらこんなものを書いている。

23日 [id]

またしても夜更しが癖になってしまって、朝が大変辛い。かといって研究が大幅に進展しているという事もない。夜中まで遊び呆けている訳でもない。ただお茶をすすっているだけで、時間は過ぎていく。秋だなぁ。

24日 [id]

世に苦しみや災難、恐怖の根源を解き放ったのはパンドラである。では、パンドラが開けた箱にそんな厄介なものを詰めたのは誰なのか。そいつに責任は無いのか。玉手箱を開けてしまった浦島太郎よりも、むしろ乙姫こそがその責を問われるべきではないのか。という訳で、僕に影響を受けただの怪しい道に引きずりこまれたのといって僕の事を責める諸君、僕はただ君達が持っている箱の蓋を開けただけの人間に過ぎないのだ。あくまでもその主体性は君達自身の中にある。その事を自覚し、喜び、誇るようになって欲しい。んでもって僕の事を「俺を悪の道に引きずりこんだ張本人」とかいって人に紹介するのはやめろ。

25日 [id]

大学からの帰り、自由ヶ丘駅のベンチで次の電車を待っているとき、ふと向いのホームに目をやると、手前の線路の上に赤い子供用の靴が片っぽだけ落ちているのが見えた。

26日 [id]

ここんとこ、フ全サCDを一日一回は聴いているような気がする。新しいCDを買うと、ひと月はそればかり聴き続ける、というのはいつもの事なのだが、これに限ってはまずかったかもしれない。気をつけてはいるつもりなのだが、日常の言動に影響が出始めている。

27日 [id]

携帯電話の普及のお陰で、つぶやき系・独り言系の人々の生態が大きく変化したようだ。

かつて京都のとある寺の休憩所で、公衆電話で長々とお話しているおばさんを見た。その内容たるや、日本人の七割がA型(血液型か)で、だから日本人は優秀なのだ、私の事をいじめる人がいるのだがそいつらはB型でどうのこうのと、つまりはまぁときどきいるトンデモない説をぶちまける変な人だったのだが、その場にいた近所の方の話によると、電話はどこにも通じていないのだそうだ。つまりは、公衆電話は独り言を大声で話す為の小道具として使われていたのだ。

そして携帯電話である。今日、歩きながら携帯電話に向って、ちょっとここでは書けないような、卑猥な言葉を繰り返し繰り返しつぶやいている人を見た。相手の反応を伺う様子がないし、やっぱりつぶやき系か。また、これは友人から聞いた話だが、電車の中で携帯電話に向って大声で人の悪口をがなりたてている人がいたのだが、突如その携帯電話に電話がかかってきたのだそうだ。その時のその人の表情、見たかった。

とにかく、電車の中や街で、携帯電話にむかって喋っている人の何パーセントかは、こうした独り言系の人々なのかと思うと、文明の利器は確かに生態系を変えるなぁと実感するのである。

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ラポートから、巣田祐里子の画集「WAI!WAI!WAI!」が出た。素晴しい!よくやったラポート! 嬉しいのは、「魔法使いとぼく」「風乗りの吟遊詩人」等の一連の話が再録されている事。とはいえ、巣田祐里子名義の画集に○○○○☆○○○のアレとかアレが載っているのはなんとも…。

28日 [id]

突然、朝早く目が覚めた。思い返すと、早起きの習慣はこういう風に、ある朝突発的に始まるような気がする。で、しばらくはどんどん早くなっていき、 5:00頃まで早まった後は、単調増加で起きる時間が遅くなっていく。その間、何らかの締切があったりすると一瞬でその習慣は崩れるのだが。

29日 [id]

「遺伝子組み換え大豆は使用していません」といった表示を見掛けるような御時世である。そのうち、とんかつ屋の店先で「当店では遺伝子組み換え豚は使用していません」といった表示を見るようになるのだろう。この勢いで事態が進行していけば、やがて「当店で使用している豚は遺伝子組み換えトウモロコシを食べていません」などと言い出す店も出てくるかもしれない。となると、「当店で使用している豚が食べているトウモロコシは遺伝子組み換え人間によっては育てられてはいません」ぐらいまでエスカレートしてもおかしくない。

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「予備校教師が大学生に補修授業」というニュースを見る。「分数のできない大学生」といいこの話といい、大学生の学力低下を嘆く論調は昔からよくぶり返されるが、問題の源は学力低下ではなく、大学に入るべきではなかった人々が大学に来ざるをえない状況にある。だいたい、「ゆとり教育」「受験戦争や詰め込み教育の解消」とか何とか言っておきながら学力低下を嘆くという、その態度はいったい何なのよ、世の皆様方。

30日 [id]

林君と、川崎クラブチッタに『好き好きハロウィン!CRAZY PUMPKIN LIVE!』を見に行った。 HIGHLEG JESUSのいつもながらの迫力もさる事ながら、ゴキブリコンビナートの魂を揺がすような舞台はどうだ。あの「バブー」が耳にこびりついて離れない。もう何も言わない。とにかく自分の目で見て欲しい。ようしプロテイン補給だ、バブー。ちなみに今回のHIGHLEGは、突入三回・客を舞台に引っ張りあげる事二回と、暴れまくりであった。

そしてブロンソンズ、すなわち、みうらじゅん・田口トモロヲのお二人の、魂をとろかすようなまったりしたトーク。『アイデン&ティティ』の映画化、楽しみだな〜とか書いてみる。

ちなみにトークで触れられていたズボンズの件の真相。当初ズボンズとHIGHLEGという組み合わせでの公演が予定されていたのだが、ズボンズ側が HIGHLEG の演目を知るや否や、急に引いてしまったらしい。ズボンズがどういうバンドかは良く知らないけど、気持ちはわからないでもない。が、ちょっと腰が引けてやいないかい? ま、お陰でブロンソンズとゴキブリコンビナートが来てくれたので、よかったよかった。

31日 [id]

昼は、東京音楽大学へ『打楽器三人衆!!セッキョウLIVE』を聴きに行く。村上ポンタ秀一・ 仙波清彦・MATAROの三人による打楽器だけの演奏である。これは東京音大の学園祭の企画なのだが、音大の学園祭ってどんな感じなんだろうねと、前日林君と話していて、屋台ばっかりで展示はほとんどなかったりしてとか言いあっていたのだが、まさにその通りであった。中庭を囲むように屋台が並び、メインステージではビンゴ大会なぞやっており、お定まりの学園祭風景を縮小したようなものが展開されていた。お昼をまだ食べていなかったので、「沖縄料理」をかかげている屋台にて、そうめんチャンプルと泡盛を注文したら、泡盛は紙コップになみなみと入っており、ほろ酔いを通り越してテキメンに酔った状態で会場に趣くていたらくである。ああ低鱈苦(あて字)。まだ酔ってます。

セッキョウLIVEの方は、演目の間に会場から募ったアンケート結果をとりあげて説教をするという、トーク形式のものになっていた。「結婚を決意したのは?」という質問に対し、仙波氏「愛を確認したから」ポンタ氏「こいつしかいない」と、急に真面目になったりしていた。帰ってから奥さんに同じ事言えるのかしらん。演奏は例によってとにかく素晴しく、すでに充分酔っていたにも関わらず、酩酊状態に陥いる。前後左右に座っていらした方、うるさかったでしょう、申し訳ない。

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夜は新宿紀伊国屋サザンシアターにて「ウーマンリブ発射!」。実にケタタマシイお芝居でありました。詳しい話は林君の日記をどうぞ。僕には書けない。