1999年12月の小ネタ

1日 [id]

今日から三日間、静岡県掛川市のリゾートつま恋で、WISS'99という学会が開催される。 WISSという学会の特異性について語るのは大変難しい。大所高所から眺めて一般性を抽出するという事ができないので、個々の事例を並べたててなんとなく分ってもらう他はない。例えば発表者が喋っている横で、参加者はチャットに興じているのである。また、毎年必ず新しい趣向の発表が見られる。今年は踊る研究者が出現した。そして、真のWISSの姿と呼ぶ人もいる、夜の宴会。夜中の3時になってもまだ、十名を超える人間が一つ部屋に集まって喋り続けている。これをどう考えればよいのだろう。間違いなく面白いのだが、この面白さをどう人に伝えるか、どう裏付けるか。今後のWISSの方向性を考える上で、この問題は避けては通れない。

WISSの宴会の模様をちこっとだけ掲載(掲載終了) 。なお、正しいWISSの姿は本家のページを参照の事。

2日 [id]

困ったなぁ。書けるネタがない。何故ならば…

3日 [id]

とにかくネタは山程ある。この三日間WISSに全力投球だったのでWISS以外のネタは何一つないが、 WISS方面では真面目・不真面目とり混ぜて、抱えきれない程のネタが集まった。論文発表の新しい手法・チャットシステムの表示手法・新しい入力装置等々。が、何せ生き馬の目を抜くこの業界、いいネタをうかつに公けの場で書く訳にはいかないのである。申し訳ないが、WISSで集まった素晴しいネタは、WISS参加者のみの財産として秘匿させていただく。

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『Mr. Driller』(c)namcoです。これは熱い。

4日 [id]

そういえばWISSが終った後、豊田氏と一緒に掛川城に登城してきたので、そのネタを。掛川城は明治期に廃城になって以来公園になっていたのが、最近になって復元されたもので、なんでも日本最初の本格木造復元天守閣なのだそうだ。熊本城のように中は単なる鉄筋コンクリビルみたいなのより断然面白いではないか。さて、天守閣に登ってみると、想像以上に狭い。最上階に至っては人が十人入れば満杯である。その最上階に控えていたおばさんによると、

  • 復元にかかった費用約10億円のうち半分は、千葉に住んでいたお婆さんの寄付によるもの。
  • 掛川西高校は野球が強い。
  • 山田みつ子氏は掛川東高校出身。
  • マガジンに連載されていた「シュート!」の作者も掛川東出身。

なのだとか。いや、冗談抜きでこんな話しかされなかったような…。

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とにかく熱い『Mr.Driller』。

5日 [id]

家の近くにある模型・玩具屋『金の鳥』がひと月前に火事で焼けたという事を今日知った。『きんちょう』の愛称で近隣の子供達に親しまれていたこの店の焼失は、我が町池ノ上にとって大きな損失である。およそ子供が興味を持ちそうなものなら何でも揃っているという店で、僕自身も子供の頃は何度となく通ったものだ。その名は広範囲に知れ渡っていて、近隣の学区の子との初対面の時など、始めはモジモジやっていても、 “金鳥”の名前さえ出ればもう打ち解けてしまう。正月も休まず営業していて、お年玉を抱えた少年がひっきりなしにやってくるのが毎年の光景だった。残念ながら来年の正月はそんな光景を見る事はできないだろう。一日も早い復帰を祈るばかりだ。

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ますます熱い『Mr.Driller』。

6日 [id]

大学からの帰り、学部の頃の友人に久し振りに出会った。やはり大学院に進学していて、すでに結婚し、子供もいるというから驚いた。その割には大人としての風格が身についたとか、生活感がにじみ出ているといった印象を受けないのは、やはり学生は学生の雰囲気しか纏えない、という事なのだろうか。

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か〜っ!たまらん!ホリススムくんがイイ! ここんとこずっと『Mr.Driller』にハマリっぱなしなのである。ゲーム自体も素晴しい出来だが、ススムくんには心底まいってしまった。ススムくんについてはこちらを参照。まちがってもゴハンがすすむススムくんではないので、誤解のないように。

7日 [id]

今月号の「ダ・ヴィンチ」掲載の書籍売上チャート(トーハン調べ)によると、夏目書房の『「買ってはいけない」は買ってはいけない』が売上一位なのだそうだ。

…これはやっぱりまずいでしょ。『買ってはいけない』が売れたのは、まぁ理解できる。人々の“何となく不安”という心理をうまくつついているし、そのやり口は彼らが批判している大企業と同じ「何となくわかった気にさせる」「センセーショナル」という戦略なので、売れる条件は整っている。内容も、まぁ部分的には評価できる。

しかし『「買ってはいけない」は買ってはいけない』の方は、その中味は単なる内容のない批判でしかない。『「買ってはいけない」は買ってはいけない』の状況は言ってみれば、知識武装した『買ってはいけない』に対して武装を放棄した状態で立ち向かっているようなものだ。そんなのが勝てる訳がない。にも関わらずそれが売れ始めている。

もしこれが一過性でない(『買ってはいけない』以上に一瞬で過ぎ去るのでない)とすれば、いよいよ大変な事である。「消費者をバカにするな」とはよく言われるが、こんなんでは「バカをバカにして何が悪い」とでも反論されかねない。悪い事は言わない。『「買ってはいけない」は買ってはいけない』は買ってはいけない。もう買ってしまったというのなら、『買ってはいけない』といっしょにまとめて資源ゴミにでも出しちまえ。

8日 [id]

お昼頃、モスバーガー下北沢店でカレーチキンフォカッチャを食べていたら、先刻、制服のまま出ていったモスの店員が帰ってきた。マクドナルドの紙袋を小脇に抱えて…。

ドトールコーヒー・モスバーガー・ミスタードーナツ。我が青春時代を語る上で、この三つの店は重要な位置を占める。学校の外で打ち合わせや話し合いをする時、あるいは、喫茶店等の敷居がまだ高く感じられた頃、街で休憩したりちょっとした飲み物食べ物が欲しくなった時は、必ずと言って良い程これらのうちのどれかを利用していた。高校にあがると、上記の三店に加えて学校の近くの喫茶店(「メルヘン」と「フィレンツェ」。どちらも男子校生がたむろする店の名前にふさわしいとは思えない)や、一駅隣のデニーズ等が主な拠点となった。メルヘン・デニーズ・モスバーガーと挙げれば、これはもうパフェの話にどうしてもなってしまうのだが、それはまた別の機会に。

9日 [id]

ネタがない。仕方がないからパフェの話でも書こうと思ったのだが、「別の機会に」と書いておきながらその次の日に書いてしまうのも何だか悔しいので、とりあえず猫の写真でも載せておこう。なんならもう一枚。うーん、新機軸。

クジ運が無いとこぼす友人の話。彼は普段から、自分のクジ運の無さを自覚していた。その日は飲み会があり、三十人程でテーブルを囲んでいた。宴の半ば、店からのプレゼントとして、当りクジを引いた人は賞品が貰える事になった。当りは二つ。こんな時はそれがどんなに下らない賞品でも熱が入り、クジを引く手に力がこもるものだ。ノリの良い面々はそれぞれに期待を抱きながら、テーブルの端から順にクジを引いていく。と、はやくも二人目の人間が最初の当たりを引いた。友人の順番は七番目。そして彼のところにもクジ箱が回ってきた。えいやっとクジ箱の中に手を入れた瞬間、彼の頭を「自分のクジ運の無さを考えるともしや…」という思いがよぎった。

そして、嗚呼、彼は見事なまでにその運の無さを発揮した。彼は二枚目の、そして最後の当りクジを引いてしまったのだ。クジにかける情熱を持て余した、残る二十人余の人間から一斉にブーイングが湧き起こる。

「俺ってつくづくクジ運がないんだわ」と彼は、呆れる僕の前でそう述懐した。

10日 [id]

しょうがないからパフェの話でも書こうと思ったのだが、よく考えるとこれという程のネタがある訳ではないのだった。とはいえ他に書くネタがないから、水増ししてでも書いておこう。僕はこの間メルヘンで一日に20個チョコレートパフェを喰う羽目に陥った。上には上がいて、友人に冨川という人物がいるが、彼は田端のデニーズでパフェを一度に30個も食べた記録を持つ。なお、パフェの個数は10倍水増しして書いてある。こうでもしないとネタにもならん。

パフェという食べ物は何かしら人を魅きつける力がある。高校在学当時の仲間では、メルヘンに行くと必ずパフェを食べていたし、卒業後も久しぶりに会えば「昌華の担々麺」か「メルヘンのパフェ」を食べたいねぇ、という話になる。前者の方は店をたたんでしまったため、今は「メルヘンのパフェ」だけが「故郷の味」として残っている。ちなみにメルヘンにはかつてパフェの器が7個しかなかった。以前13人編成でメルヘンに行った時に、二回に分けて提供されたのでそれが判明したのだが、最近その数が増えたらしいという事を聞いた。「ご注文は?」「パフェここのつ」なんてやりとりを今でもしているのだろうか。

11日 [id]

喰い改めよ

高校の頃の仲間と焼肉を食った。尋常でない量を食った。暗黙のルールがある事を充分知りつつ、僕はシメとして冷麺を食べた。そして暗黙のルールが適用された。「カルビクッパななつ」。誰だ、こんなルールを決めた奴は。あーきつい。ちなみにこの日、教祖誕生。教義第一条は「前回焼肉だったけど、そんな小さなことを気にするのはやめましょう。」

13日 [id]

そういえば随分前に『プログラミング言語HTML』という本が話題になった。もちろん最初のサンプルリストは、

<html>
<head><title>hello, world</title></head>
<body>
hello, world
</body>
</html>

である。しかし、XMLの最近の潮流を見ているとあながち冗談ばかりとも言えないので、こまったものだ。

14日 [id]

『Mr. Driller』やっとこさ1000m到達。1ミスで9分20秒8。まぁまぁ速いタイムではあるが、 1ミスが痛い。まだまだ確実さが足りないので、もう少し続けよう。

あの語彙数推定テスト に新しいテストが追加されていたのでやってみる。テスト2では46100語、テスト3では50500語となった。『丸まっちい』?『道化方』?『さしったり』?『ズルチン』は以前「たほいや」で出てきた単語なので、音だけは覚えているのだが、肝心の正しい意味は覚えていなかった。

謎の単語といえば、今日、「しなの」に置いてあった熊本みかんの段ボール箱には「カラーグレーダー使用」という文句が書かれていた。『カラーグレーダー』? 常識的な解としては、みかんを色で選別して、箱の中のみかんの品質を均一にする、といったあたりだろうか。僕はみかん箱の中から、まだ比較的熟れてない、青味の残ったものを選び出して食べるのが好きなのだが、そんな楽しみを奪われた感じがしてちょっと残念。

ついでに果物の好みをこの際書かせてもらうと、林檎も柿も、固い方が好きだ。種なし柿は、あの、種のあるべきところのくにゅっとした食感がどうにもこうにも我慢できない。早く市場から消えてほしい。梨と林檎と苺は甘味よりも酸味の方が大事。かぼすはその点変な品種改良をされずに生き残っているため、どれを食べても大抵おいしい。えっ、かぼすって果物じゃない?食べない?

15日 [id]

要望があったので、今度はまた別の猫の写真をお届けする。前のものよりさらに写りが悪くて申し訳ない。その1その2その3その4

ところで最近ちょくちょく目にするのだが、「さわり」という言葉を、例えば「さわりだけ〜」という形で、「始めのちょっとした部分だけ」という意味で用いている人が多い。雑誌記事等でも「今回はさわりだけの紹介にとどめ、次回に重要な部分の解説を述べる」などと書かれている事がよくある。おそらく「触る」という言葉から、どちらかというと「触れる」に近い、ちょっとした接触という感覚を想起し、そこから「ほんの一部分だけ」という意味に取るという誤解が生じているのだろう。

正しくは「一番重要な部分」という意味であり、上に挙げた用法はまるっきりの誤用である。元は浄瑠璃の用語だったらしいのだが、こんな誤用が広まってきているという事は、昔と今とで「触る」という行為の重みが違ってきているという事なのだろうか、などと、誤用の裏にある背景をデタラメに考えるのが、誤用を見付けた時の楽しみのひとつだ。

正しい用法を確かめる為に辞書を引いたりしていると、今度は辞書の方の間違いや変な解説を見付けてしまったりするのだが、これがまた楽しい。手元にある三省堂国語辞典第三版で「スワッピング」を引くと、「夫婦交換」と出ている。そりゃそういう意味で使う文化があるのも事実だけど、第一義に載せるような事じゃないでしょうが。それならばと周辺のカタカナ語を片っ端からチェックしたりしている間に、時間は楽しく過ぎていく。

− 修論提出まであと42日。

16日 [id]

Play Station用ソフト『ビブリボン』。音楽CDなら何でも使える音ゲームなのだが、もうちょっとましなビートトラッキングをして欲しかったなぁ。それ以前に、もう少しましな視覚化・インターフェースを考えられなかったのか。もっとも、リアルタイムに、しかもオンメモリで全部の処理をしなければならないという制約があるから、この辺が限界なのかもしれない。それにしてもゲーム自体が全然考えられていない。やっていてちっとも気持ち良くないんだよね。ミスをした時に「どう考えてもシステムが悪い」という感想しか引き出せない今のシステムは最悪。ま、「任意の音楽CDが使える音ゲーム」というのをさっさと世に出して他社を抑えておきたい、という意識が先行しているのであろう。

それでも手元にあるCDをいろいろ試したりしてそれなりに遊んだ。その中で一番難しかったのは、大友良英による山下毅雄トリビュートアルバムの「プレイガールのテーマ」。もはや曲とはまったく関係なく怒涛のごとくピースが流れてくる。ビートをきちんと拾ってくれたのは韓国の打楽器演奏集団サムルノリの曲。仙波清彦他による「オレカマ」とかP.O.N.の曲は、激しい部分ではパターンが全然合ってない。だが何と言っても一番笑えたのはスネークマンショーの「愛の野球場」。

「だめよ、隣り(×)にお父さんがいる(×)んだから」
「そう(L+↓)ですねぇ桑原さん・はいっ!(R)」

§

ところで昨日のネタにあった「スワッピング→夫婦交換」の話だが、その筋的には「夫交換」または「妻交換」なのであって、「夫婦」を交換したらそれは結局何も変わらないのではないかと思う。

17日 [id]

『スペースチャンネル5』をいきなりクリアしてしまってブーイングを受けてしまった。が、最後の最後、スタッフロールの後のひと押しを逃してしまったので、またやり直し。まるっきりクリア損じゃないかこれでは。

ところで今は研究室に泊り込んでこんなものを書いているのだが、夜食というと貴方は何を連想するだろう。僕なぞは「赤いきつね」を夜中に食べるのが結構好きで、卒論生の頃はよく食べていた。しかし大抵において、夜食を食べた後はまったく作業がはかどらない。腹がくちくなった後は猛烈な睡魔が襲ってくるし、その眠さをまぎらす為にコーヒーを飲もうものなら、赤いきつねの汁とコーヒーで腹がたぽたぽになってしまい、苦しいこと限りない。一段落するまで仕事を中断したとしても、ゲームを始めれば集中力がないから一向に進展せず、 Webページを見だすとキリがないし、眠ってしまえばそれまでだ。そこで、こーゆー時のために日頃から「明日できる事は今日やらない」という方針の元に溜めこんだ、ちまちました雑仕事をこなすのである。

…やめたやめた。人間眠い時は寝るのが一番。

18日 [id]

今、下北沢北口商店街の街灯にはクリスマス飾りだけでなく、新年を祝う短い垂幕がぶら下っている。この垂幕には来年、すなわち西暦二千年の他の暦での該当年が書かれているのだが、ユダヤ暦やマヤ暦に混って、なんと「ホビット庄暦」が書かれていた。こんなの、下北沢を歩いている人々のどれだけに通じるのやら。ちなみにホビット庄暦では来年は2542年なのだそうだ。でも指輪の世界って我々の世界と繋がりがあるんだっけ?

19日 [id]

ホビット庄暦がまだ気になっていたので、gooでサーチをかけてみたら素晴しいページがヒットした。suchowan’s Home Pageで、ホビット庄暦を含むいろんな暦での年数を表示してくれる。で、ここに挙げられている暦を見ると、どうやら先述の下北沢北口商店街の垂幕はこのページのデータをそのまま使っているようだ。垂幕に書かれている暦の種類が、このページで用意されているものとピタリ一致するからだ。

§

ここのグループの活動のお陰で、自宅の ATI Rage Pro チップの3Dアクセラレーションを使用したglxモジュールが使えるようになった。これがあると、X上で OpenGL を使ったプログラムの画面表示が格段に早くなる。今のところ xlock しか試していないけど、ちょっと OpenGL でプログラムを書いてみたくなるじゃないか。

20日 [id]

やっぱり年末というものは忙しくなるように出来ているらしい。あれよあれよと思う間にずんずん予定で埋まっていく。とはいえ、 2000年問題対策に追われている人々の苦労を思えばまだまだ気楽な身分だ。幸い大晦日から元旦にかけては何の予定もないので、自宅の古いパソコンのY2K対策でもしていよう。 MSX-DOSとかC-DOSとかCP/Mあたり、揃ってコケるだろうか。

21日 [id]

友人の妹が机のむこう側に行ってしまった。といっても、僕自身机のむこう側に座った経験はあるので、「むこう側」ではなく「こちら側」、「行ってしまった」というよりは「来てしまった」の方が正しいかもしれない。それはともかく、何かこう、またしても「福地の影響で…」という展開が待ち受けている予感がする。何度も言うようだが、僕が悪いんじゃないよ、たぶん。きっと。

§

『粗食のすすめ』なる本が出回っているが、頁を開けば、きちんと作られた良質の料理が並んでいる。これを“粗食”と呼んでしまうのなら、今日の僕の夕食(コンビニ弁当+コンビニ肉まん)や、『赤いきつね』を徹夜の友としてしまうような食生活を何と呼べばよいのだ。“慘食”か?“卑食”か?! んでもって『卑食倶楽部』とかいう組織があって「至低のメニュー」とか作ってたりするのか?! そのメニューに『赤いきつね』は入るのか?!それともその栄誉は『どん兵衛』に奪われてしまうのか?!

かつて僕が開発した夜食「砕いたポテトチップ(のりしお味)雪印スライスチーズのせ牛乳かけてレンジで1分」や「カルピス+日本酒のお湯割り」は、粗にして野だが卑でもあるメニューだけど、それなりにうまいのでお試しあれ。ポテトチップは開封直後のものではなくて、最後の十数枚を底の方にたまったクズと共に用いるのがよい。日本酒はカルピス原液の倍ぐらい。

22日 [id]

大学からの帰り、電車の中で、『ドラえもん』最終話(もちろん偽物だが)の新しいパターンを耳にした。「のび太植物人間説」に代表される『ドラえもん』最終話は様々なパターンがこれまでに報告されている。今日耳にしたのは、最後にドラえもんがどこでもドアで植物状態ののび太を天国に連れていく、というもので、話の細部もこれまでに知られているものとは微妙に違ったものだった。それにしても、いまだにこうして変種が作られ続けているというのは、ちょっとした感動を呼び起こす。それに引き換え『サザエさん』最終話はあまりバリエーションを聞いた事がない。こんなところにまで「長谷川町子凍結」が影響しているのだろうか。

§

件の友人と酒を飲んだ。今日はどこも大変混んでいたので、水道橋で待ち合せてから腰を落ち着けるまで一時間半、水道橋から神保町、御茶の水付近まで彷った。そうやって辿り着いた居酒屋「さらさら」は、狭いながらもとても良い店であった。「砂肝のやわらか煮」「ぐりぐり唐揚げ」「〆めさんま」、どれもうまかった。最後に飲んだ山形の「上喜元(辛口)」は、はじめに飲むべきであった愉快な酒。これは記憶に留めておこう。今日はとっても幸せな一日であったことだなぁ。彼とは中学からの付き合いだが、酒を飲んだ後は甘いものが食べたくなるという性癖まで似ていて、会う度に幸せになれるのだ。

余談だが、自作の「キ○ィ禁止シール」が、隣の席のカップルに大受けしていてちょっと愉快。

23日 [id]

事実上明日締切の論文がどうも間に合いそうにない。明日は有楽町に行ってUISTの報告をせねばならず、その準備も並行してやっていたので、遅れまくっているのだ。今日渋谷でやっていた、グループ魂(大人計画)のクラブイベントも切った。でも明日の梅津・仙波・久米・井野・賈のライブだけは絶対に切れない。という事で今日の夜から明日の朝にかけての徹夜作業が確定。早速『赤いきつね』を購入してしまうあたり、この論文にかける意気込みの強さ加減がうかがえる、と思ってけれい。

24日 [id]

朝、余裕があったらおでかけしようと思ったのだが、とてもその元気は出なかった。昼頃、有楽町は東京国際フォーラムへ行ってUISTの報告。さて、突然だがドルードル。これは12/19日の午後4時に、東工大西8号館9階から西の空を撮影したもの。 1階に居たときにはどう見ても「机にむかってマウスを握っているクッキーモンスター」にしか見えなかったのだが、いざ上にあがってカメラを構えたらその幻影は消えてしまった。さて、皆さんには何に見えるだろうか。

ところで、今夜は松岡研恒例のクリスマスパーティ(兼忘年会)があったのだが、初めてそれを欠席したので、きっと事の顛末を知る為にこれを読んでいる松岡研の人間もいるに違いない。が、書かなきゃならん程の事もなし。国際フォーラムでの会合が終わった後まっすぐ新宿へ行き、梅津・仙波・久米・井野・賈のライブを楽しんで家に帰っただけ。「ライブの為にパーティー切るか?」と聞かれるかもしれないが、そこはホレ、なかなか一言では言い表せない事情というものがあるのです。ま、ライブは最高だった。年甲斐もなくCDにサインして貰いに行ったりしちゃった。賈さんありがとうございました。でも、全然読めませぬ。梅津さんありがとうございました。可愛いキャラですね。(これじゃ私信だ)

25日 [id]

何故卓球を「ピンポン」と呼ぶようになったのだろう、と辞典をあたろうとして、何故か「リポート」の項を引いていた。このように、頭の中でいつの間にか目的としている語がすり換わる事が僕には結構起こる。「ピンポン」と「リポート」ならまだ音が近いという関係があるが、ときに関係があるとはまったく思えない語にすり換わる事もあるから不思議だ。類話は吉四六ばなしにも求められる。初めて団子を食った吉四六が、このうまい物の名前を覚えておいて後でかかあに作ってもらおうと、「だんご、だんご」とつぶやきながら家に帰ろうとして歩いているうちに、ふいに「えっちくしょう」とくしゃみが出てしまう。すると今度は「えっちくしょう、えっちくしょう」と、名前を間違えて連呼してしまう、というものだ。ところで今この話の真似をして「だんご、だんご」と言いながら歩いていると、今どき遅れて『だんご3兄弟』に感化された人だと勘違いされちゃうから要注意だ。

で、ピンポンの話だが、多分Pingを打ったらPongが返ってくる、という事であろうとは予想できる。それなら何故いわゆる普通のテニスをピンポンと呼んではいけないのだろう。高校進学時、「高校1年生の顔」という、一人300字程度の文集を作ったのだが、同学年の卓球部の連中は皆揃って「卓球への偏見を無くそう」「卓球は明るいスポーツだ」と、卓球を愛するあまりやや過剰なまでの卓球論を並べ立てていたのが、やたらとおかしかった。

26日 [id]

下北沢本多劇場で、ナイロン100℃の『テクノ・ベイビー』を観劇。公演は17日から29日までなのに何故今日のこの日を選んだか?それは、今日は開演前のミニライブで、「スペースポンチ」が演奏する日だからだ!岸野雄一・松前公高・常盤響・MINT LEEの四人によるテクノバンド、それが「スペースポンチ」だ。先月、待望の、まさに待望のデビューアルバムが発売されたのだが、やはりスペースポンチの音楽はライブでないとその真髄はわからない。岸野“ヒゲの未亡人”雄一のダンスこそが、スペースポンチの音楽の根幹であるからだ(ぇ?)。そして、松前氏や常盤氏がステージでシンセをぐりぐりしている姿やMINT LEE氏のキーボードプレイを見ていると、その楽しさが2倍にも3倍にも感じられる。今日も、ケラリーノ氏の新作を観に来た人々相手にポンチテクノを元気にかましていた。

ところで『テクノ・ベイビー』だが、文句なしに笑えるギャグ満載の、 SF問題“外”作とでも言えばいいだろうか。覚えたての言葉で言えば、底抜けの円環から産み出される物語はどこ行ったかミーにもわからないザンス、ってなところか。あっ、そういえば冒頭で野田秀樹がぐるぐる回ってました。それにしても「三代目六郎」が可愛いい!!!人形欲しい!!!

さて、この手の芝居を観に行くと、必ず大量のチラシを持って帰ることになる。で、今それを読んでいるのだが、「矢崎仁司監督作品『花を摘む少女と虫を殺す少女』公開を応援する」という冊子があって、その名前が『花と虫』略して『はなむし』だと書いてある。ちょっと笑う。何故笑うか、分らない人には教えない。菅野美穂がヘレン=ケラー。NHKビデオの『昭和名人芸大全』、早野凡平が出まくり。トニー谷・坊屋三郎・ 由利徹・サムライ日本…いかん、だんだん欲しくなってきた。あぁ、こんなんで今日のネタを終えていいのか。

27日 [id]

さて。卓球については例によって検索エンジンをぶん回した結果、「卓球の発明者ジェームズ=ギブの友人、ジェイクスが、ボールを打った時の音をとって名付けた」らしい、というところで落着。というか不時着という感じだが、横着してこの辺で。家にある The Encyclopedia Britanica 第11版(1910年刊) を引いてみても詳しい記述はない。そして、例えば「ピンポン録音」といった転用や、「Ping」単体での項目は無い。卓球の発明が1898年なので、この時期にはまだまだ新しい言葉なのだ。

さてさて。「ラミネートチューブ入りバナナ」はあるか、というのがどうしても気になったのでやはり検索エンジンをぶんぶん回していたのだが、残念ながら見付からなかった。何でこんなものを探していたかというと、昨日下北沢の食材屋で「バナナマフィンを作るには生地につぶしたバナナを入れる」というのを聞きつけ、さらにその時傍らにチューブ入りのアンチョビやトマトペーストが置かれているのが目に入ったためである。ところで、「バナナandチューブ」とかいうキーワードで検索したら「こども用はみがき粉バナナ味」の類がひっかかるんじゃないかと予想していたのだが、なんとこれがまったく見付からないのである。で、途中からこども用はみがき粉探しにシフトして、ライオンのページを漁ってみたりしたのだが、もはや扱っていない模様。もしあったら「バナナどころかイチゴもメロンもチューブ入りになっている!」とかいうネタに仕立てようと思っていたのに。

さてさてさて。上記の検索をしている間についよそ見していて見付けたのだが、農林水産省野菜・茶業試験場研究技術情報官のホームページにある技術相談問答集は実に素晴しい情報源だ。内容は試験場に寄せられた質問に対する回答がまとめられたものなのだが、実に多彩な質問があり、そしてまたそれによく回答しているのだ。例えば…

「朝もぎのナスが昼にもいだものより美味しいことを非破壊で測定したい。どんな成分を測定すれば良いか?」
「前日の光合成産物は夜間に転流して果実に蓄積されるので、早朝ほどみずみずしく美味しい。可溶性固形物は変動幅が小さく測定が難しい。水分測定のほうが簡単。」

「野菜には「五月みどり」など女優の名を使った品種があるが、他の野菜にもそのような品種が存在するか?」
「花は有名人にあやかる。野菜の品種名は偶然一致したに過ぎない。品種名は他の野菜全般で登録できない。みどりには笹とか、宮崎があるが、人名とは無関係。」

「イチゴにモーツアルトを聴かせると生育が増進して収穫が早くなり、果実品質が格段に良くなると聞いたが?」
「振動によってホルモンが出ると言う説、イチゴが生産者と勘違いする説などがある。宣伝のため、施設へ頻繁に出入りし、無意識に過剰な管理をすることも関係する。」

などなど、いくら見ていても飽きない。家庭菜園をやっていたり、園芸を趣味としている方は是非目を通すべきだ。

28日 [id]

今年一年で新生児に付けられた名前のベストテン(明治生命調べ)を見て思った事。男の子二位の「拓海」だが、僕は今年になってコナミの幻想水滸伝1&2を遊んだのだけど、 1の主人公に名付けた名前がやはり「タクミ」だった。四位の「陸」は、幻水2の主人公の名前としている人がいた。ゲームの主人公に付けられた名前の統計をとってみたら、案外似通った結果が出るのかもしれない。なお、僕が「タクミ」と名付けたのは、「頭文字D」とは無関係です。「極東天国」の主人公拓海君からとっています。

それとは逆に、ゲームや漫画が新生児の名前にどれだけ影響を受けているか、というのも調査結果が欲しいところだ。例えば男の子の「拓海(2位)」「海斗(3位)」、女の子の「萌(2位)」「亜美(4位)」「遥(8位)」「七海(9位)」あたり、微妙な影響があるんじゃないだろうか。ところで、人の名前にケチをつけたい訳ではないので詳しくは書かないけど、漢字を読み下すとあまり良い意味にならない名前が結構ある。「亜」とか「未」などの文字を使う場合は気をつけよう。

29日 [id]

年末というのはとかく予定が狂いがちで、親父の買物に付き合って渋谷のBICカメラに行ったとき、プリンターを買ったら店員が「今サービスでお付けしております」と、年賀葉書をドサッと手渡してきた。親父は「俺はもう書いちまったからお前にやる」と、ポンとそれを僕に渡した。ここ何年か年賀状を出すという習慣が絶えており、今年も知らぬ存ぜぬで通そうと思っていた所へきて、こうやって白紙の年賀葉書を手にしてしまうと、いっちょう書いたろうか、という気になってきてしまう。

丁度12年前、小学生だった僕は必死こいて龍の絵を描いて、年賀葉書にプリントゴッコで刷っていたのだが、極一部の友達、正直に書けばちょっと気になっていた女の子には色鉛筆で手描きしたものを出したのだった。何が言いたいかというと、つまりはそれなりに手間をかけた年賀状を昔は出していたのだが、後年、高校生の頃になると白紙の葉書に一言「あぶりだし」と書いて出すといった超絶手抜きをするまでに堕落していたのだった。

30日 [id]

PlayStation用メモリーカードの中身をPCから読み書きする装置を買ってきた。とりあえず幻想水滸伝2のセーブデータを解析して、ジョウイをパーティーに入れる方法を確立。これでセーブ中リセットなどという危険な技に走らずにジョウイ入りパーティーを作れるようになった。こうして現実からの逃げ場を用意しつつ、修論全力失踪、わっ違う、全力疾走態勢の準備は整った。あぁ、2000年問題の影響で修論の締切が延びるなんて事にならんもんだろうか…。

31日 [id]

今日の空耳:「ファイトクラブ→体育座り

表参道付近で、自転車に乗って疾走するSMAPに出会った。タクシーで追っかけしているお姉さんがいた。

今年一年を振り返って反省すべきところは反省しようと思ったのだけど、今年に限った反省点というのが特に見付からない。この物忘れの良さのお陰で、「今年も一年楽しかったなぁ」という思いと共に心安らかに新年を迎えられる。やり残した事ならいろいろあるけれど、それについては新年になって、修論を提出してからゆっくり考える事にしよう。