2007年2月の小ネタ
3日
卒論・修論でテンパっている学生を放置して、スキーしに越後中里へ。 久しぶりのスキーで脚力の衰えを知る。そういえば夏は沖縄の海で腕力の衰えを実感したのであった。 次はそろそろ脳力の衰えを知る番か。
9日
ここ二日間は修論発表会のため、ほぼ終日ふさがる。 終わった時は、学生さんは解放感で魂が抜けたようで、こちらは蓄積した疲労でぐったり。 学生さん達は打ち上げで飲みに出たようだが、こちらは風邪気味なこともあって早々に退散する。
14日
FSiJ 月例会での講演のため、 夕方から秋葉原へ。しかし折からの暴風雨のためか、 バレンタインデーの夜という素晴しい日時設定のためか、 客が少ない。講演冒頭は「今日は何の日でしょう?」という小ネタを掴みにしてみた。
そういう訳で6年前の今日に EffecTV の最初のバージョンをリリースして以来、毎年2月14日には新しいバージョンをリリースしてきたのだが、 今年はついにその習慣が途絶えた。こうやって愛情は薄れていくのだなぁ…。 でも EffecTV はまだ続けますよ。形を変えて。
15日
そして今日からベルリンへ。友人の映画監督の作品がベルリン映画祭のフォーラム部門に出品したので、 その手伝いで途中から合流することになったのだ。 そしてこれが自身初ドイツ。いざビールとボードゲームの国へ!!
という訳で、現地でスタッフとうまく合流できず、仕方なくホテルで寝ていたら、 やっとこさ電話がかかってきた。なんでもフォーラム部門の参加者達のパーティーがあるので、 それに潜り込みに来いとのことで、ドイツオペラ座へ。 そこにはすでに出来上がった面々が。
パーティ会場
ご機嫌な奥監督
「選挙」の想田監督と山内和彦さん、そして間には「Dear Pyongyang」の梁英姫監督
「選挙」の主人公であるところの山内和彦さんも来場していて、 みんなに「山さん」と呼ばれていた。昼の上映では映画館前でタスキをかけてメガホンで街頭演説をかましてきたのだとか。 「凄い恥かしかったですよ〜」って、そりゃそうでしょうねぇ。 山さんは本当に面白い人で、会う人会う人に選挙運動方式の両手握手をしていた。 東大在籍時、専攻を決めるときに大学におらず、 本人不在のまま周囲が相談して書類を提出してくれたとか、 色々な武勇伝もお持ちの方だった。
ベルリン映画祭への出品が決まった後で、党内や議会の方でも色々とあったそうで、 「映画を売るために出馬したのか」とまで言われたそうな。 しかし、自民党の方も議席を確保したくて立候補者の公募までしたんだから、 ブツクサ言う資格はないだろうに。
16日
さぁてベルリンで遊ぶぞ映画観るぞ!と思っていたら、監督に連れ回され本来の仕事である通訳の仕事に追い回される。 普段とはまったく違う分野での会話なので、しどろもどろもいいところ。 おまけに、通訳ってのは自分で喋るのとはまた違った苦労があるということを発見。 相手の言う事を理解してから喋るか、そのまま翻訳して喋るかの判断が難しい。 後者を選択すると言葉のやり取りが膨大になり場合によっては混乱のもとだが、 前者を選ぶと責任重大。適宜混ぜてなんとかこなす。
夜は昨日とはうってかわってフォーマルな場へ。 東映アニメーションから出た「画ニメ」シリーズのうちの「舞姫」「女生徒」 が、日本大使館のホールで上映されるのだ。という訳で、 全員かしこまった姿で大使館へ参じる。
ちなみに日本大使館の前の通りは「広島通り」という名前。 そしてその通りを挟んだ向かいにはイタリア大使館がある。 こんなところに日独伊の三国が結集していたとは!
さて、肝心の上映会だが、「舞姫」がベルリンを舞台にしており、 そして日本のアニメーション・漫画作品にドイツでも注目が集まっていることも手伝って、 会場は満席。いかにも nerd っぽいのもチラホラ。 そんな訳で大勢の方にご来場いただきとても嬉しいのだが、 困ったことに映画の方は英語字幕で、しかもその品質がひどい。 なんでも海外での上映のために東映アニメが慌てて作ったものらしいのだが、 「いやだ、いやだ」というセリフに対して、"I don't like it. I don't like it." という字幕をつけてしまうような、中学生レベルのもの。字幕としてはおろか、 英語としても出鱈目な箇所が目につく、ひどいものだった。 これで本当に海外展開できるのかね?
それはさておき、質疑応答はなかなか活発で、評判は良かったようだ。 中で、現地の大学の先生とおぼしき日本人から「『画ニメ』という名前はいかがなものか」という質問がなされ、 奥監督も「できればその名前とは関係なく、このやり方を発展させていきたい」といった旨の返答があった。 「画ニメ」を言い出したのは東映アニメですからねぇ…。
二枚目は質疑応答の様子。江津さんは冒頭で "Guten Abend"
とかまして、ウケをとっていた。
17日
今日はポツダム広場の映画館で「カインの末裔」の上映。 本編を観るのはこれが初めてだ。お客さんの入りも上々。 上映終了後には、観客との質疑応答の時間も用意されている。 質問で面白かったのが、ストーリーについての確認をしたもの。 「〜のシーンでは、○○○が×××したということか?」 と、何のヒネリも衒いもない、素直な質問。監督も「はい、そうです。」と答える。 映画祭で、しかもフォーラム部門で、 映画についての質問というと想像ではちょっと構えた質問が飛び交うような気がしたのだが、 そうだよなぁ、「質問」ってのは分からないことを聞く場なんだよなぁ、 と改めて考えてしまった。いい質問だった。
18日
今日はなんとか暇を見付けて、ベルリン市内の観光に出かけることに成功した。
歩いていてたまたま見付けたバウハウスアーカイブ。割と小さめの展示室に、当時の作品や習作が並べられていた。
ホロコースト記念碑の区画に、「ハンナ アレント通り」があるのを発見。
保存されているベルリンの壁。
街中にあった塊魂のようなオブジェ。
本当は今日はカーニバルのため、西ベルリン地区の中心地はとても賑やかなことになっているのだけど、 折角なのでベルリンの壁あたりを見にポツダム広場の方へ歩いていったら思いの他距離があり、 チェックポイントチャーリーに辿り着く頃にはくるぶしのあたりが痛くなってしまった。
皆と合流した後は、東ベルリン地区のアレクサンダー広場から路面電車に乗ってさらに奥の方へ。 やはり急に街の雰囲気が変わったような気がする。全体的にうら寂しく、 元気のある感じがない。
比較的いい感じのビル群。他のはもっと殺風景。
同行者は「さすが東ドイツ!」を連呼していたのだが、 これが東ベルリン特有の憂鬱な風景なのか、西ベルリンの郊外に行っても同じなのかは定かではない。
さて、ドイツと言えばボードゲームですよね、という訳で街のゲーム屋さんで土産物を物色するつもりだったのだが、 今日は日曜のため、どこもかしこも律義にお休みしている。 アレクサンダー広場でも品揃えの良さそうな、いかにもヨーロッパのゲーム屋らしいゲーム屋を見付けたものの、やはり閉まっていた。 そうしたら、夕食の席で現地駐在の元同級生から「中央駅構内の店は日曜でも空いている」との情報を聞きつけ、 急いで行ってみたら、あったあったありました、構内の Virgin Megastore の一角で、 ゲームが山盛りになっているテーブルがありました。
これでめでたく本懐遂げました。ちなみに "Ticket to ride" は独語では "Zug um Zug" (step by step) という名前になってました。 買ってきたのはメルクリン版、つまりドイツが舞台。てっきり鉄道模型で有名なメルクリンのパーツがゲーム駒に使われているのかと思ったけど、 さすがにそこまでにはなっていなかった。