2000年10月の小ネタ
2日
金森修「サイエンス・ウォーズ」、持ち合せが無かったので立ち読み。ダヴィンチの書評と違って (いつもの事だけど、ダヴィンチの書評ってほんっっとにひどい)、 完全に科学論者側の言説になっている。が、その内容はほとんどブーイング。他人事ですが、 彼等にしてみればたかが外野の一科学者であるところのソーカルのやり口を、 卑怯だの卑劣だのと叩いてる場合じゃないんじゃないですかねぇ、内側が腐りきってるんだから。 まぁ、トンデモ本扱いされたようなもんなので、心中穏かでないのは察しますが。 面白いのは、こうしたトンデモ論文、失礼、ポストモダン系(?)の論文では、数学や理論物理が好んで使われていて、 他の学問分野があまり取り上げられない点。コンピューターサイエンスなんか絶対使われないだろうな。
ふと思いたって、大昔に買ったスティーブ=ジャクソンのパズル本「魔術師タンタロンの12の難題」 を検索してみる。"The Tasks of Tantalon"で検索したところ、とうとう、解答を載せているページを発見! 家に帰ってチェックしてみると…!!!何で今までこれに気がつかなかったんだ!!! ただ、「獣の子を狩る弓を持たぬ狩人」というのがまだわからない。誰か教えて。
3日
誰が下した天誅かは知らないが、昨日からギックリ腰で、歩くどころか、立ったり座ったりもままならない。 日中は結局寝たきり。別に体力が低下していた訳でもないのにしっかりと眠ってしまったので、 案の定、夜はちっとも眠れない。
芦原プロ…烏龍茶の缶…。これは狙ってるのかなぁ?
ナニヲイマサラなのは単行本で読んでいるため。
んでもって例によってgoogleで「芦原 アキラ 烏龍茶」で検索したら、出るわ出るわ。
4日
全日空の“超割り”、対象期間は12/1〜12/10で、国内どこだろうが片道1万円という大変おトクな切符。 WISS2000はこの期間中に沖縄で開催されるので、 超割りで切符を取ろうとしたのだがすでにキャンセル待ち状態。ちぇっ。みんな遊びが過ぎるぞ。 そんなに冬の沖縄に行きたいか。
5日
単なる日記モード: キャンセルが出たらしい。緒方君の日記に出てくる「詩集を売る女」は僕も何度か見た事がある。 ヒッピームーブメントとやらが盛りの頃は、新宿駅西口にはそういう類の人間はいっぱいいたらしい。 それをまだ引きずっているにしては、若そうなんだけど。研究室でのラミィでなかなか勝てない。
6日
高宮君の新クラスターの名前を考えているうちに思考が脱線して、 各種クラスライブラリの批評をまとめた「classの手帖」というのを思いつく。 もっとも、「暮しの手帖」パロディでは「その日暮しの手帖」という傑作がすでにあるので、 この案は育てる事なく捨てる。
7日
大昔に録画したビデオテープを見ていたら、NHKの番組で、テレビCMの変遷をまとめたものが出てきた。 日清の「hungry?」が最新CMだった頃のもの。NHKがこうした広告をバンバン流したという意味で、 面白い番組であった。この番組、司会に永六輔、コメンテーターに天野祐吉まではいいとしても、 副司会に池田理代子、他のコメンテーターに池田満寿夫・樹木希林・デーブ=スペクター・立松和平という、 なんとも不思議な面子を揃えている。
ちなみに、その後に録画されていたのは『征服王』最終回と、『音効さん』第一回だった。 フジの深夜番組がつまらなくなり始めた頃ですね。
9日
「洗濯物が乾いてないじゃないか!」こういう時に何とかごまかす技能が欲しい。
体育の日は「目の日」でもある。という訳で目の保養。いいもんいっぱい見られました。 と、うまくまとめるつもりだったのだけど、体育の日が移動したからといって目の日が移動する訳じゃないらしい。 ちっ。
11日
自分の研究の説明用スライド(英語版)をダッシュで作る。わずか5ページ。 これが日本語であれば、たとえ5ページだろうが語りでごまかす自信はいくらでもあるのだが、 はたして英語でとなると、身振り手振りでごまかしきれるだろうか。不安だ。一応ビデオもあるのだが、 こちらも、ナレーションが入ってないので、その場で英語で説明しなきゃならないのだけど、 アーだのウェルだのユーノーだのでスキャットしてるだけで多分ビデオ終わっちゃうんだよな。
13日
「完熟かぼちゃのポタージュ」という字面をパッと見て、
「完熟ぼっちゃんの〜」
に見えてしまったのは、論文締切間近故の連日の徹夜が原因と断定。完熟ぼっちゃん、おいしそうだ。 (←超問題発言)
そんな心配も杞憂に終わった。発表自体なかった。
14日
思いっきり寝まくったので、CmCC研究会はあっさり欠席。夕方起き出してメールをチェックすると、 論文の締切延長のお知らせが来た。という事は手直しする猶予ができてしまったという事だ。 という事は手直ししなければならないという事だ。実験のやり直しもできてしまうのだ。 つかの間の平和であったことだなぁ。
やまもとこーーーじ!!関係ないけど2001年の正月のNHKスペシャルはOpen Source特集らしい。
15日
「ITは政府の方が遅れている」森首相がPC店など視察(asahi.com見出しより)
…怒ってる人いっぱいいるだろうねぇ。 今PC店の店先に並んでいるような技術を促進するのが政府主導のIT政策だと思われちゃたまらんだろうに。
さぁ帰ろうとしたら、ノートPCの/(ルート)がふっとんだ、かに見えた。 幸いほとんどの内容は修復できたけど、最初/usr(マウントポイントね)が消えていたのに気がつかなくて、 「げっ、/usr飛んだ?」と慌てたのだが、単にマウントできていなかっただけだった。 というか、/usrを別ファイルシステムにしていたのを忘れていた。
こういう内容の話を書くのも久しぶりであることよ。
16日
今日はCDプレイヤーを修理した。自宅のはCDが三枚までセットできるもので、 CDをセットするトレイが動かなくなっていた。これを直すのは簡単で、 モーターからトレイに動力を伝達する輪ゴムを新しいのに交換すればよい。 この作業は三年に一度ぐらいやっていて、これでもう三回目だ。これでトレイは動くようになったけど、 音飛びの方は一向に改善されない。いい加減寿命か。
ところでこのプレーヤーの、CDが三枚載るトレイは、「ルーローの三角形」の形状をしている。 トレイが筐体の中でぐるぐる回る事でCDを交換する仕組なのだが、 方形で底面積最小でトレイが回れるように工夫した結果なのだろう。 ルーローの三角形の定幅曲線としての性質を見事に応用した例だ。この三角形の工学的応用と言えば、 正方形の穴を開けるドリルというのがあるのだが、初めて聞いた人は皆信じようとしない。
17日
ルーローの三角形がわからない人へ。説明がめんどいので下図を見て納得してください。
Webページでは、Wolframの "Eric Weisstein's world of MATHEMATICS" が詳しい。余談だが、ルーローを "Reuleaux" と綴るというのがわからなくて、検索するのにえらく苦労した。
18日
Asian Fantasy Orchestra 2000 Live一日目 at 赤坂BLITZ。 AFOも、もう10年目になるそうだが、今回のは集大成とも言える演奏で、円熟という表現がふさわしい。 面子も、仙波・久米・梅津という黄金コンビあり、坂井・中原・田中・佐藤のUNIT SEMBAの面々あり、 もちろん賈鵬芳・姜小青・費堅蓉の三人やグレース=ノノ、ナヤン=ゴーシュにドゥルバ=ゴーシュ、 金子飛鳥に三好功郎と、これはもう完成形だ。
こうして完璧な形になってしまうと、次からはいったいどうなるのだろうとも思う。 次回からのAFOは、この構造を壊して、新たな展開が始まる事を期待しています。
ところで、今日のオレカマ、梅津さんの「絵に描いた餅」とくっついた形での演奏となったのだけど、 リズムパターンがいつもとかなり違うように聴こえたが、新展開?
19日
今日で、この「今週の小ネタ」を始めて丁度一年(一年前の今日の小ネタはこれ)。 始めてすぐに飽きて、止めようかなと思いつつダラダラ書いている内に、これも修行の一環と思い直し、 とにかく一日一個何かしら書き続けてきた。小ネタどころか、まるっきり意味のない事を書く日も多かったけど、 それなりに修行になったような気もする。それにしても、 「書く事を考える」というのを毎日続けるというのはかなり奇妙な体験だった。
で、さすがに毎日これをやり続けるのはしんどいので、今日からは頻度を落す事にします。 ま、どうでもいい事ですからいい加減にいきましょう。
Asian Fantasy Orchestra 2000 Live二日目 at 赤坂BLITZ。 演目は昨日と同じだけど、演奏の勢いやエネルギーが、昨日よりも強いような気がする。 特に「OREKAMA〜絵に描いた餅」は、今日の方がパワフルだ。仙波さんとアニーシュ=プラダーンとの掛け合いが、 際立っていた。MCで仙波さんが「これで集大成、というよりは第一歩が踏み出せたんじゃないかなと思っています」 と言っていたのが、昨日と今日の演奏の違いを表しているのではないだろうか。 これからの展開が本当に楽しみだ。
21日
ここは山中湖の近く。朝っぱらから、北富士演習場における自衛隊の実弾砲撃訓練の音で目が覚めた。 ドシンという音とともに地響きが伝わってくるのだけど、結構離れている筈なのにこの衝撃。 連中、とんでもないものをぶっぱなしてるんですね。戦争って凄いですね。
23日
12月20日に開かれるTIN PAN ALLEYのコンサート、チケットはほぼ即日完売状態だったようで、 月曜日にのこのこチケットぴあに行っても時すでに遅しでありました。行きたかったよぅ。
某社某研究所の書棚で「臓器移植マニュアル」なるものを発見、思わず読み耽る。 これでもかと迫る臓器の生写真。所長の社内見学(?)が遅れている関係で夕食をとれず、 腹が減っていたのだが、食欲をやや減退させる事に成功。
が、いつまで経っても所長は来ない。 極限まで腹が減ったのでもう一度臓器移植マニュアルを読んで食欲を抑えようと思ったのだが、 今度はどの写真を見ても、「うまそうだ」としか思えない。
24日
オレハウチュウノテイオウサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛ッサ゛カリテタ゛コロシテヤル
いえ、生まれて初めて買ったPlayStation2用のゲームが「SILPHEED」だったものでつい。 未知の生命体が侵攻してくるという、使い古された設定をよくもまぁ、という程度の内容でした。 敵を、自機に近い所で倒すと点数が高い、というのは、UPLの「オメガファイター」ですでにやってるし。 しかも「オメガファイター」は、射程距離がどんどん短かくなっていくパワーアップという、 とてつもなく熱い(というか暑苦しい)フィーチャーがあった分、記憶に残るゲームであった。
25日
"Eric Weisstein's world of MATHEMATICS" が、著作権の問題から閉鎖されてしまった。残念、悔しい、腹が立つ。
slashdotにおける一連の議論の中で、
「どこかにミラーはないの?」
「googleにキャッシュされてるよ」
という問答があったのがちょっと愉快。
29日
風邪でへろへろながらも、fetchmailがうまく動作しなかった原因を追及してみた。 POP3での接続がtimeoutしてしまうのだが、 メッセージの最初の一通を読み込むのにやたらと時間がかかっている事が判明。 当初fetchmailを疑ってかかったのだが、よく調べてみると、正確には、 その一通を読み終わってから次の一通を取りに行くまでの時間が長いためにサーバーに接続を切られている。 もしやと思って調べてみると、ローカルのMTAであるところのeximが、 ローカルからの接続の際にやたらと時間を喰っている。この時点で容疑者はeximとなる。 さらに調べるうちに、クライアントから`EHLO localhost'を投げた時に止まる(長時間停止する)事が多い。 が、すんなり通る時もあってよくわからなかったのだけど、 どうやらデフォルトの経路が存在する時に止まるようだ。 ここらあたりでできればeximのソースを眺めながら追跡調査をしたかったのだけど、 それを家からダウンロードするのももったいないので、gdbを駆使したり、 shared objectを使って関数をフックするという荒技に出て調査を続行。その結果、犯人は
gethostbyname2("localhost", AF_INET6);
という箇所である事が判明。…なんで何の断わりもなくv6叩いとんのじゃ!!!
31日
認知科学方面の用語で『マイクロスリップ』というのを今日学んだ。 例えばペンを手に取ろうとして一瞬躊躇する、キーボードに伸ばしかけた手を方向転換させてマウスをにぎる、 といった、日常的に滑らかに行っている筈の運動が短い時間だけ錯誤・逸脱する現象を指す。 一通り説明を受けた後、実験の模様を撮影したビデオを見せてもらったのだが、被験者の年齢にほとんど関係なく、 面白いようにとまどったり迷ったりしている。
困った事に、この研究を知ってしまったお陰で、普通に行動していても 「あ、今スリップした」といった調子で、自分の行動が気になってしょうがない。 インスタントコーヒーを作るような単純な作業ですら、 1分間に2〜3回はマイクロスリップが発生しているというのだから、 自分のスリップにいちいち反応していると大変な事になって、激しくげんなりする。 これを読んでいる人にもこの小さな不幸を分けてあげましょう。