2004年10月の小ネタ
1日
今年のイグノーベル賞受賞者が発表された。"PUBLIC HEALTH" の部門では、「床に食べ物を落しても、5秒以内なら OK」という研究が受賞した。 あちらでは「5秒ルール」が主流らしい。なお、"PEACE" 部門では、カラオケの発明者としてイノウエダイスケ氏に賞が贈られた。みんなでカラオケを歌えば争いを忘れて平和になるから…ではなくて、 「お互いに我慢しあうということを教えてくれる」だからだそうだ。
10日
研究室合宿で箱根へ。今日はユネッサン。コーヒー風呂・緑茶風呂のコンボでバチッと目が覚めた。そういえば久しぶりに水着を着た気がする。 しかし、温泉に入った気はまったくしないので、1000円払って温泉にも入ってきた。
14日
熊谷和徳『Tap Man』初日。EffecTVの使いどころは、 ま、ちょっとした小ネタ程度の扱いで、それほど印象的でもなかろうと思っていたのだが、 どうしてどうして、大変面白い使われ方をされていた。監督の奥秀太郎にしろ、熊谷さんにしろ、 作り手の想像以上の効果を引き出してしまうのだ。
ちなみに使われたイフェクトはおなじみRadioacTVと、SimuraTVの特別版。 後者のイフェクトは、本公演の一週間前にアイディアが出され、前々日に実装が完了したという代物。
ところで、最後のスタッフロールで、僕の肩書が「EFFECTV」としてクレジットされているのはどんなもんでしょう。
21日
CASIO の EXILIM EX-Z55 を買おうと思いたった。 今まで使っていたデジカメは、
- 起動が遅い
- 書き込みが遅い
- 閲覧が遅い
- 図体が(いまどきのに比べて)大きい
と、とにかく不満だらけだったのだ。
さて Z55 を買いに行こうとカメラ屋に行ったら、隣に S シリーズの新製品 EX-S100 が置いてあるではありませんか。 機能は Z55 とたいして違いは無く、画素数も問題なし。値段も安くて薄くて軽いとあらば、 S100 にしない理由がないではないか。うーむ、迷う。
で、結局、液晶画面がちょっとだけ大きい Z55 を買いました。 もともと「メモ・画像ビューワー」としてのデジカメを使いこなす方法を考えるという課題もあったので、 大きい方がいいかもなー、という程度の理由。
で、家に帰っていろいろと試して遊ぶ。目下のお気に入りは、 撮った写真に後から音声メモを付加する機能。これこれ、これが欲しかったのよ。 どうせなら、音声メモ付き画像をウェブに載せる手段があれば良いのだが。 そういう flash を書けばいいのか? サッパリとかパーシステントとか zphoto とかの方面に頼んでみようかな。
24日
USBチャンネル切換器のページが、 Slashdotに掲載されてしまい、 あっという間にアクセス数が跳ね上がってしまった。流量にして普段の100倍以上。 サーバーは無事耐えたようだが、レンタルサーバなので後でどんな事になるか、恐しいことである。 一時的に画像を小さくして対処はしてみたものの、焼け石に水だ。
とはいえ、付随して EffecTV のページのアクセス数も激増したし、 疑問に答えてくれたメールが何通も届いたり、 いろいろと有用なコメントを貰えたりと、嬉しいこともちゃんとあった。 本当にありがとうございます。意外にも何か真面目なプロジェクトだと捉えた人も多いようだが、 別にこれでデスクトップが切り換えられて嬉しいな、なんて思ってないですからね。 普段使ってないし。
25日
今週の小ネタのページで、試験的に RSS1.0 を配布するようにしてみた。 http://megaui.net/fukuchi/coneta/coneta.rdf でアクセスしてみてください。
昨日の slashdotted の模様を解析していて驚いたのだけど、 使われているブラウザでは、Firefox (日本語情報) がダントツなのだ。それも Windows 上の。 Slashdot から飛んできているという偏りがあるとはいえ、意外な普及率。 500万ダウンロードは伊達ではないということか。
またしても、飛行機で飛ぶ日に台風(温帯低気圧)がやって来そうな気配…。
ジャストシステムのサイトで、「変わりゆく日本語の使われ方」というアンケート企画を実施している。 その中で「あなたは、ここに挙げたことばを使うことがありますか。また、意味がわかりますか。それぞれから一つ選んでください。」 という質問事項に続いて、
(a)けんもほろろ
- 使う
- 使わないが、意味はわかる
- 使わないし、意味もわからない
といった設問が続いている。この選択肢、どうせなら「使うけど、意味はわからない」という項目も欲しかったなぁ。実感としてこれが結構多いと思う。「あんにゃもんにゃ」とか。
26日
「ジャズ大名」の DVD が届いた。VHS ビデオでも持ってるけど、 やはり DVD の方が便利なので買ってしまった。amazon だと在庫が無かったので、 タワーレコードで購入。
いやー、いい映画だやっぱり。これとブルースブラザーズと、 おまけで「雨に唄えば」を入れて、三大ミュージカル映画。
29日
今日から "Piksel04" というイベントに参加するために、 ノルウェーはベルゲンへ。 ちなみに去年も参加したアレです。
今年は EffecTV については特に新規性のある話はないのだけど、 片手間で作っていたあるシステムが形になりそうなので、 今回のワークショップのためにそのシステムを使った新しいパフォーマンスを開発して、 それのお披露目をする予定。そう、開発はまだ進行中。当然、 行きの機内でのプログラミングは折り込み済み。
さて、当然出発前夜もほとんど徹夜で準備をしていたので、 荷造りもギリギリまでかかってしまい、成田に着いたのは出発の50分前。 いろいろと迷惑がられながらもなんとか無事機内に滑り込むことができました。 一寝入りした後、おもむろにプログラミング開始。
が、一部のコードのクラス名や変数名に "Missile" だの "Bomb" といった単語が出てきてしまい、 こんなコードを国際線の機内で書いているとあらぬ疑いをかけられかねないので、 やむなくコーディングは一旦中止して、サウンドトラックの編集に切り換えた。
アムステルダム近郊のスキポール空港で乗り換え。といっても5時間近く待たされるので、 "Laptop Bar" と名付けられた場所で電源をもらってコーディング再開。 心置きなくミサイルや爆弾のプログラミングをしたのであった。
そして現地時間で午後9時24分、やっとこさベルゲンに到着。BEKに寄って挨拶した後、 ホテルでチェックインして、シャワーを浴びてさっさと寝る。今回も時差ボケ解消に成功した模様。 やっぱり前日の徹夜は効くなぁ。
30日
今日からワークショップ開始。BEK というエレクトロニクスアートの機関が主催し、会場も提供している。 下の写真は BEK の部屋からの風景。眼下に拡がっているのは河ではなく、フィヨルド。
右は部屋の中。初日の午前中はまだこんなもん。
まだ始まったばかりなので参加者も揃っていない。今のうちにとプログラミングを進めてしまう。 ガリガリ書き進めていてだいたい完成したので、 iPod とヘッドフォンで音楽を聞きながらこっそり練習。もっとも、 レーザーポインタを振り回してるのでちっとも「こっそり」にはならないのではあるが。
夜になると BEK のオフィスからの光景はこのようになる。
夜になると、場所を "Landmark" という近所の大きなラウンジに移して、 ワークショップの参加者によるパフォーマンスが繰り広げられる。今日のパフォーマーは
- ap02/gdapp - Martin Howse & Jonathan Kemp
- 名称未定 - 僕
- Fijuu - Julian Oliver (delire)/Steven Pickles (pix)
- Antti Silvast (Pseudotoad Laboratories) / Teemu Kivikangas (Amfibio)
Martin の ap は、いろいろと外部機器が接続できるようになっており、 今日のパフォーマンスでは自作のターンテーブルが2台接続され、 回転の方向や速度が PC から制御されていた。これがやたらとカッコいい。
とうとう僕の出番。一部のパフォーマンスはほとんどぶっつけ本番だったけど、 だいたいうまく行きました。自分がステージに立っての一人パフォーマンスは、実はこれが初めて。 パフォーマンス中は腕が震えてしまい、レーザーの軌跡が波打っているのが、 自分でもおかしかった。
こんな感じで、緑がいっぱいのパフォーマンスでした。
次がFijuuのライブ。上の写真を見るとPlayStationで遊んでいるようにしか見えないが、 画面の右と左にそれぞれオブジェクトがあり、ジョイパッドでそれらを操作することで、 映像と音の両方を生成している。左に見えるのはシーケンサで、 リング状に配列されているボタンを ON にして、リングを回転させると音が出る。 回転速度を変化させるとテンポも変わる。右のオブジェクトは何だかよくわからないけど、 ジョイパッドを操作するといろんなパーツがねじれていって、インダストリアルなノイズを出す。 オブジェクトの造形が非常に独特で、観ていても面白い。
最後が Pseudotoad。OpenGL ベースで全て処理されており、 ピクセルの目立たない美しい画面が特徴。音をラインから拾っていて、 オブジェクトがビートに反応して動くのが面白い。
31日
いよいよ人も集まってきて、オフィスも混雑してきた。昼食は隣にある学校のキッチンを借りて、 ボランティアの人が作ってくれていたりする。
今日からオープンワークショップと題して、個別のシステムに関するワークショップが始まった。 参加者のうち、Pure Dataの利用者が多いので、 期間中の午前のワークショップは "PD Workshop" を6日間連続で開催することとなった。 今日は Adam Overton と slimboyfatboyslim による、 PD と PIC コントローラの連携についての講演。Adam は脳波や心拍をセンサで捉えて、 音や映像に変換する作品を作っている。Open EEG という、 バイオフィードバック系のセンサを自作するプロジェクトもあり、手を出すのはそんなに難しくはないみたいだ。
Tom Schouten のパフォーマンス
夜のライブは、イスラエルの TangieR CluJ、Adam Overton、Tom Schouten、August Black。 四人ともノイズ系なので、耳がおかしくなりそうだ。Tom のは PDP/PD でシステムを組んでいて、 USB カメラで光を拾って、音と映像の両方をそこから加工して生成する。August のパフォーマンスは "Data Dada" というシステムで、 いろんなファイルをそのまま音として流すというもの。基本的には単なるノイズなのだが、 ファイルのビットパターンによって出てくる音に変化があるので、 ファイルの構造によってはビートが感じられたり何らかのパターンが表われるのが面白い。 今日のパフォーマンスでは、画面を二つに分け、左に Windows のファイルシステム、 右に Linux のファイルシステム(/etc/以下)を流すという趣向になっていた。 Windows の方はバイナリデータが多いせいか、0x00 で埋まった領域が目立つ。
左は Adam。右が "Data Dada" の画面