2005年3月の小ネタ
1日 ![[id]](/img/id.png)
インタラクションでデモ発表。レーザーポインタを使った入力インターフェースネタ。スクリーンまで2mもないような場所でクラス 3a の緑色レーザーポインタを使っていたため、 2時間経ってデモセッションが終わった頃には目がチカチカしてきていた。本来の用途だと、スクリーンからそこそこ離れているところで操作するのでこんな目には会わないことにはなっているのだが。
研究ページでの公開はもうちょっとお待ちください。
2日 ![[id]](/img/id.png)
情報処理学会の全国大会が電通大を会場にして開催されている。特に参加するつもりは無かったのだが、学生セッションの座長を急遽頼まれたので行ってきた。座長をやっていると、全ての発表を注意して聴いていなければならないのでしんどいのだが、幸い当該セッションの発表はどれもそこそこ面白かったので、それほど苦痛には感じなかった。とはいえ、聴講している人の数が少ないから質問もあまり出ないし、極力座長がコメントするよう求められているので、大変と言えば大変。
4日 ![[id]](/img/id.png)
届いてはいたものの、手をつけていなかったスペースワープの建設に着手。



説明書に書かれている作例に頼らず、いきなり自由にレイアウトするつもり。
7日 ![[id]](/img/id.png)
論文締切が近いせいか、スペースワープの建設がはかどった。

このままだと循環しないので、短かいループのコース2をでっちあげておいた。
加速がきついので、エレベーターへの衝突の際の衝撃で、
エレベーターの乗っている他のボールがときたま落ちてしまう。
とりあえずループは順調に回ってくれるのだが、どうも進入速度が遅いような気がする。これくらいの落差があればもっとループを大きくしても走れそうなものなのだが、どうもうまく行かないのでこの大きさにしてしまった。どこかでエネルギーを無駄使いしているのだろう。実際、滑走音が大きいので、ボールがレールの上を滑ってしまっているようだ。ころがり摩擦ではなく、すべり摩擦を受けてしまっているのではないか。回転数がうまくあげられていないのだろう。
8日 ![[id]](/img/id.png)
スペースワープのコースがひとまず完成。

タイミングがあえば、両コース上を走るボールがこのように併走する。
こういうところでの滑らかな動きを目で追うのが愉しい。ちょっと不思議な感覚を受ける。
幾何学的整合性のある図形を眺めるときの愉しさにちょっと似ている。
さて、コース1でボールがエネルギーを失っている問題だが、 ボールの回転数があがっていない原因の一つを発見した。急斜面を転がっているときに、 一瞬滑走音が途切れるのだが、やはりボールがその間レールに接しておらず、 飛んでいることがわかった。下の写真はその決定的瞬間。
この辺の設計のコツがわかってきたような気がするので、また暇になったら再構築しよう。
14日 ![[id]](/img/id.png)
あの「怪獣大戦闘」の凶悪マッドサイエンティスト「Dr. Cube」が、ブログを始めました!!といってもコメントやトラックバックなどの機能は今のところ無いようだ。そういえば、第一弾の DVD で、スタッフクレジットのバックで流れている、Piebald の “American Hearts” が収録されているアルバム“We Are the Only Friends We Have” を Amazon で購入してしまった。カイジューの DVD 第二弾「衝撃の事実」も予約注文しちゃったし、もうドップリとハマってます。
15日 ![[id]](/img/id.png)
甘酒が大好きなんですよ、ってこれこないだも書きましたっけか。で、あったかくなってきたせいか、袋入りのやフリーズドライのものが店頭から消えてしまったので、最近は酒粕を買ってきて自分で鍋で作って飲んでるんですが、自分で作ってみて初めてわかったのは、甘くするにはもの凄い量の砂糖を消費するのだということ。鮨一個くらいの大きさの塊の酒粕を甘酒にするのに、砂糖を匙で4杯も5杯も入れてやっとこ甘くなったかな、というくらい。うーむ、ちょっと控えた方がよいかも。
20日 ![[id]](/img/id.png)
横浜美術館でやっていたデュシャン展へ。いきなり「泉」の便器で始まる構成。やっぱり泉ですかね。大ガラスを図録ではなく現物(ただし東京版)で観るのはこれが初めて。今までは気がつかなかったのだが、床に写る影がなかなか面白かった。ライトは正面斜め上から当てられているのだが、そうすることで下半分の構図の方は、縦が少し縮んだせいで縦横比の均整のとれた構図になる一方で、上の方の図柄はぼやけてしまっている。それを踏まえてあらためて本体を観ると、どうも意図してそう設計されているように思えてくる。実際のところはどうなんでしょう。
22日 ![[id]](/img/id.png)
家のドーナツ盤入れには、「宇宙戦艦ヤマト」やらピンクレディーの歌やらが雑多に放り込まれているのだが、その中でもひときわ異彩を放っていたのが「ネコジャラ市の11人」という NHK 人形劇の主題歌を吹き込んだもの。僕の子供の頃には放映は終わっていたのでこのレコードでしかその存在を知らないのだが、「ひょっこりひょうたん島」の後番組で、サイケデリック的な時代の流行を取り入れたような不思議なジャケット写真と、ヒステリックなシャウトの入った歌が子供心にとても怖かったのを覚えている。
後年、高校生ぐらいの頃になってふと思い出して聴いてみたら、これがすっごくいい曲でビックリした。トランペットが重なりあって盛り上がってくところにセリフを重ねていきながら、
「君の胸に 君の胸に あふれる勇気を〜みな捨て〜ろ〜」
なんて歌詞が炸裂するのだ。
さてドーナツ盤から MP3 にでも録音しておこうかと思っていたら、幸い東芝 EMI から「懐かしの人形劇テーマ大全」というタイトルで CD 化されていたので、さっそく買った。いやー、コレコレ。このシャウトですよ。最後にとても不安そうな声で「もしもし、もしもし…」で終わるこんな歌が主題歌なんだから、さぞかし本編も凄い内容だったのだろうと思うのだが、残念ながら映像はまったく残っておらず、脚本などの資料も散逸しているという。なんとしても観てみたいものだが、残念だ。
29日 ![[id]](/img/id.png)
ここしばらく論文書きに勤しんでいます。
今日出勤途中に、中学生の頃、通学の電車の中であみだした遊びを突然思い出したので紹介します。どういうものかというと、「意志の力で自分を騙す」という遊び。電車に乗ったとき、駅で停車している間に、自分が乗っている電車の進行方向が、今までとは反対の向きに変わったのだと自分を騙すのだ。これは窓の外の景色を見ていたりすると視覚情報が否応なしに正しい状況認識を迫るので、目をつぶるか、後述するトリックを使ってまず視覚から騙す必要がある。
やがて電車が発車し加速する間、通常であれば進行方向逆向きに加速度が加わるところが、自分騙しがうまく成功していれば、進行方向と同じ向きに加速度が加わっているように感じられることになる。一方、耳に聴こえるのは次第に速度を増していくモーター音なので、少なくともこの電車が加速していることだけは正しく理解できる。すると、自分の脳はこの矛盾を解消するために、この加速度は重力によるものであると判断するのだ。その結果、まるで電車が急な下り坂を速度を上げながら滑り落ちていくかのように感じられる。逆に駅が近付いて電車が減速を始めると、まるでどんどん角度が増していく勾配に差しかかって電車が止まっていくかのように感じられるのだ。
この、日常的な感覚と激しく矛盾する見当識を無理矢理得るためには、まず自分の目を騙すのがよい。空いている電車に乗り、車両の端の席に陣取ると、その視界は下の写真のようになる。
赤丸で囲んだ、連結部の扉や、車両の前後方向を向いた窓に写る逆像を眺めていると、通常とは逆向きに景色が流れていくので、自分を騙しやすい。窓の外の実像は目に入らないようにし、ひたすら逆像を眺めつつ、必死に自分を騙して欲しい。うまく自分を騙せおおしたときの奇妙な感覚は、ちょっと言葉には表せない。
これに似た遊びに、「ネッカーの立方体」を応用したものがある。ネッカーの立方体とは、立方体の枠だけを描いた図を見た時に、その解釈には二通りあるぞ、というもの。下図で言えば、左端の枠線図は、右二つのどちらのものともとれる。
このネッカーの立方体の実物を、針金やマッチ棒で作り、指でつまんで、片目でじっと見る。そして、本当とは逆、つまり手前が奥で奥が手前にあるかのように自分に言い聞かせ、さてその通りだと思えてきた頃を見計らって指先で立方体を回転させる。自分が思っていたのとはまったく違う視覚的変化を立方体は見せるので、眩暈にも似た不思議な感覚が目玉の奥に湧き上がるのだ。
さらに似た例を探すなら、ちょっと似てるとは言い難いかもしれないけど、音の認識で近いものがある。曲の導入部などでメロディがなくリズムだけ刻まれているときに、例えば「タンタカタンタン|タンタカタンタン」というリズムの繰り返しが続いていると、出だしを聞き逃したときなどたまにこれを「タンタカ|タンタンタンタカ|タンタン」といった感じに、拍がずれて認識されてしまうことがある。途中でうっすらと気がついた時など、頑張って正しい小節の切れ目を探そうとするのだが、これが結構大変だ。いってみれば、騙されている自分の耳を、もう一度騙し直して正常に戻そうとする試みをするのだが、リズム感がないためか、なかなかピタッと戻すことができない。
以上、締切を前にして「まだ余裕さ」と自分を騙し続けている男、福地がお送りしました。