続・フィボナッチの数畑
さて、「フィボナッチの数畑」に引き続き、数畑の性質を調べてみる事にする。
全ての一桁フィボナッチ数列は、循環数列になる。また、これまでは数列は種から順方向、 つまり in+2 = in + in+1 という式で生成していた訳だが、逆方向、すなわち in = in+2 - in+1 という式で生成しても、やはり循環数列になり、 それは順方向に生成したものと同等である。という事は、どの種からでも、 順方向にも逆方向にも無限な循環数列が生成されるという事である。 もちろん、その数列のどこを見ても一桁フィボナッチ数列である。 以降、一桁フィボナッチ数列と記した場合は、この無限循環数列を指す。
種 s から生成される一桁フィボナッチ数列 S から、任意の連続した2個の数字 t を選ぶ。 t の前後には、t から生成された一桁フィボナッチ数列と同じ数が並んでいるから、 S は、t から生成された一桁フィボナッチ数列として見る事もできる。つまり、 s から生成される数列と t から生成される数列は等しい。 言いかえると、ある数列に含まれる任意の種からは、同じ数列が生成されるという事である。
この事から、一桁フィボナッチ数列の種類はそんなに多くない事が予想される。無限の循環数列を生成したとき、 同等であるものを除外して数えると、一桁フィボナッチ数列は全部で何種類あるか?
そして、この事を数畑の方にも応用してみよう。種からはどちらの方向にも数列を展開する事ができる。 従って、数畑は平面の上を無限に拡がっていく。ある種から生成された数畑に含まれる任意の種を選ぶと、 その種から生成される数畑は、前述の性質から、元の数畑と同等である事がわかる。 では、同等の数畑を除外して数えたら、数畑は全部で何種類あるか? また、行と列を入れ換えたものも同じとして数えた場合は何種類になるか?
数畑の問題を解くにはコンピューターを使わないと面倒だろう。 なお、「行と列を入れ換えたものを同じとする」とは、
0 0 1 3
から生成される数畑と、
0 1 0 3
から生成される数畑を同じものとする、という事を意味する。