フィボナッチの数畑
まず「一桁フィボナッチ数列」の定義をしておこう。通常のフィボナッチ数列は二つの数字が与えられているとき、 「三番目の数字は一番目と二番目の数字の和、四番目の数字は二番目と三番目の和…」 という法則によって生成される数列である。数学的に記述すれば
i0,i1が与えられているとき、 in = in-2 + in-1 (n>1)
となる。「一桁フィボナッチ数列」とは、この足し算の、繰り上がりを無視したものだ。数列は常に一桁の数字から成る。 例えば初めの二つの数字が1と2だと、一桁フィボナッチ数列は
1 2 3 5 8 3 1 4 5 9 4 3 7 0 7 7 4...
となる。また、一番目の数字と二番目の数字の組を、フィボナッチ数列の「種」と呼ぶ。
さて、ここに4個の数字が以下のように与えられたとしよう。
1 2 3 4
次に、左上の数字と右上の数字を、一桁フィボナッチ数列の種として、右方向に一桁フィボナッチ数列を展開する。 左下と右下についても同様にする。すると、
1 2 3 5 8 3 1 4 5 9 4 3 7 0 7 7 4... 3 4 7 1 8 9 7 6 3 9 2 1 3 4 7 1 8...
となる。次に、各列の上二つの数字を、やはり一桁フィボナッチ数列の種として、下方向に展開する。
1 2 3 5 8 3 1 4 5 9 4 3 7 0 7 7 4 3 4 7 1 8 9 7 6 3 9 2 1 3 4 7 1 8 4 6 0 6 6 2 8 0 8 8 6 4 0 4 4 8 2 7 0 7 7 4 1 5 6 1 7 8 5 3 8 1 9 0 1 6 7 3 0 3 3 6 9 5 4 9 3 2 5 7 2 8 6 4 0 4 4 8 2 0 2 2 4 6 0 6 6 2 9 2 1 3 4 7 1 8 9 7 6 3 9 2 1 3 4 7 8 5 3 8 1 9 0 9 9 8 7 5 2 7 9 6 6 0 6 6 2 8 0 8 8 6 4 0 4 4 8 2 0... 3 8 1 9 0 9 9 8 7 5 2 7 9 6 5 1 6 9 8 7 5 2 7 9 6 5 1 6 7 3 0 3 3 6 2 6 8 4 2 6 8 4 2 6 8 4 2 6 8 4 2 1 4 5 9 4 3 7 0 7 7 4 1 5 6 1 7 8 3 0 3 3 6 9 5 4 9 3 2 5 7 2 9 1 0 4 4 8 2 0 2 2 4 6 0 6 6 2 8 0 8 8 7 4 1 5 6 1 7 8 5 3 8 1 9 0 9 9 8 1 8 9 7 6 3 9 2 1 3 4 7 1 8 9 7 6 . . . . . .
こうしてできたものを、僕は「フィボナッチの数畑」と呼んでいる。さて、ここでこの行列の各行に注目して欲しい。 なんと全ての行が、やはり一桁フィボナッチ数列となっている。どんな種を選んでもこうなるのだが、一体何故だろう。
この“数畑”はいろいろ面白い性質を持っているので、興味のある人は調べてみてほしい。