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ダブレット

『不思議の国のアリス』の作者、ルイス=キャロルの考案したゲームに『Doublets』というものがある。 挑戦者には二つの単語が与えられる。挑戦者は片方の単語から始め、文字を一文字づつ別の文字に置き換えてゆき、 もう片方の単語になるまで変化させる。 目的の単語に辿り着くまでにできた単語(これをリンクと呼ぶ)はそれぞれが意味のある単語でなければならない。 こうしてできた単語の列をチェーンと呼ぶ。 一例を挙げよう。はたけたんぼに変える場合…

  はたけ
1 はたき
2 はんき
3 たんき
  たんぼ

となる。この時、変化に要したリンク(単語)の数は3と数える。

さらに細かいルールとして、「つ」と「っ」、「や」と「ゃ」といった文字は区別するものとする。また、「ー」(長音記号)は用いない。 リンクに使える単語は、一般的な単語なら可とする。普通名詞のみとしてしまうと、長い単語を使った doublet が成立しなくなってしまう。 経験則では三文字の単語であれば普通名詞に限ってもよいが、それ以上長い単語の場合には、制限を緩くしないと難しい。 こうした細かいルールは出題者と解答者の間で取り決めるとよい。キャロルのルールでは、 社交的に差し支えない言葉を用いる事が求められている。従って卑語・俗語の類いは使えないとするべきだろう。

Vanity Fair問題の日本語版
Doubletsは、イギリスの週刊誌「Vanity Fair」1879年3月29日号で発表され、以後18回に渡って連載され、計54問が出題された。 これはその問題を日本語に翻訳したものである。もちろん問題となる単語も日本語のものに置き換えてある。
紅茶のダブレット
紅茶関連の単語を使ったダブレット。