ビデオゲームの部屋:源平討魔伝 (namco, 1987)
古くからアーケードゲームをやっている方には説明不要の、namcoの大作アクションゲームである。 僕がまがりなりにも全面クリアできる数少ないアクションゲームの一つ(こんなんばっか)。 いろんな意味でとんでもないゲームだったけど、とにかく作りが雑だった。
作りは雑だったけど、絵は綺麗。6809二個でこのサイズのキャラクターを頑張って動かしていたのだから凄い。
音楽は寂寥とした雰囲気のよく出た素晴しい出来で、中潟憲雄の代表作と言ってよいだろう。
音声合成が豊富だったのもこのゲームの特徴。義経の高笑いや弁慶の「ばかめ」、鬼姫の「はなしませぬぞ」など、
とにかく賑やかなゲームである。画面の迫力と合わせて、やっていると確実にギャラリーがつくゲームだった。
そして何といっても「だじゃれのくに」。突然だじゃれを連発される面がいくつかあるのだ。
ここに登場するだじゃれのインパクトがあまりにも強かったので、
当時ゲームセンターに通っていた人々はほとんど、これらのだじゃれを覚えているに違いない。
「がきがきた」「やはやだ」ぐらいならともかく、「まきものはおまえをすくうろうる」「わらってよりとも」。
「かねがねかねがねぇ」はゲームセンターで残金が底をついた時は必ず口にしていた。
続編の「超絶倫人ベラボーマン」(続編じゃないだろが)でも、「デンワにでんわ!」
なんてのが出てきて、さすが源平チーム、と皆がうならされた。
さて、源平の話となるとどうしても触れておきたいのが、ハイスコアのネームエントリーである。 源平では日本語で名前が入力できるという、極めつけに珍しいシステムを採っているのだが、 まずこれが大変。レバー左右で子音を、上下で母音を選択していくのだけど、 ただでさえ目的の文字を選択するのが手間なのに、しょっちゅう入力がチャタるせいで、 選択文字が急激に変化したりする。入力の制限時間が短かく、意図した名前を入れるのはまず不可能。 で、さらに凄いのが、この名前を無理矢理に漢字変換してくれるのだ。それも、「か→加」「へ→辺」のように、 平仮名一文字に対して漢字一文字があらかじめ決まっている。したがって「ふくち」などと入れたところで、 「不苦智」にしかならない。おまけに濁音は漢字に濁点をつけて解決するのだ。 「かげきよ」は「加計゛鬼与」だ。
なお、名前に何も入れなかったり、「ああああああああ」なんて適当に入れると、 自動的に「なむこ」という名前にされてしまう。そしてその漢字変換は「名無子」。うまい。