インタラクティブ要素を加えたカプセル玩具自動販売機

カプセル自動販売機、通称「ガチャガチャ」は、日本においては 1960年代に設置されるようになってから現在に至るまで、 子供達に根強い人気があります。現在では幼年層のみならず、若年層から中高年層を狙った商品展開もなされており、カプセル内に封入される玩具の種類も豊富なものとなってきています。

従来のガチャガチャはカプセル入リ商品を販売するだけの機構を持っていますが、 我々はガチャガチャ本体に液晶画面を組み込み、出てきた商品を使ってさらに遊ぶことができる機構を加え、 玩具の持つ世界観や物語を提供したり、玩具を使って遊んだりできるようなガチャガチャを製作しています。

本研究は多摩美術大学情報デザイン学科の榎本香織・井沢祐・楠房子・鍛冶秀紀との共同研究です。

「雑貨屋さんのおもちゃたち」製作:榎本香織

カプセルに封入された人形にはそれぞれ RFID タグが埋め込まれ、 どの種類の人形であるかが認識できるようになっています。 カプセル取り出し口の下に置かれた台に人形を乗せると、その人形にまつわる物語がアニメーションで、 ガチャガチャ本体に組み込まれた液晶画面に表示されます。また、 2体の人形を同時に乗せると、その組み合わせに応じたアニメーションを観ることができます。 これにより、単にアニメーションを観賞するだけでなく、組み合わせを探る楽しみや、 友達どうしで人形を持ち寄ったりする遊びが生まれます。

システム全体図

人形たち

表示されるアニメーションの例

「がちゃポンせ〜のっ!」製作:井沢祐

「雑貨屋さんのおもちゃたち」で構築したシステムを応用して戦闘ゲームに仕立てたものです。 ゲームに登場する5種類のキャラクタは、それぞれに得意技が設定されています。 ゲームが始まると液晶画面中に敵キャラクタが現われると、ナビゲータがその敵の弱点のヒントを教えてくれるので、 その弱点に合った得意技を持ったキャラクタを置くと、弱点を攻撃することができます。 いくつかある弱点のすべてを攻撃できれば勝利となります。

論文