エッセイ

『ズートピア』に過剰に期待し過ぎた結果

いやたしかに、『ズートピア』凄くいいアニメーション映画です。 なんだけど、動物達が謎の進化を遂げて肉食動物と草食動物が殺し合うことなく暮らすようになったとか、ズートピアに犬・猫の類や鳥がいないところとか、そもそもの「ズートピア」という言葉の …
2016.5.8

よそいき言葉のピクトグラム

公共の建物におけるトイレ案内はデザインのほころびの宝庫で、なにしろ緊急事態を抱えた人の社会的な生き死にを分けるものであるから、おのずとそのデザインにもゴツゴツとした実用本位な側面がどうしても出てくる。
2016.3.27

痛みと空腹

頚椎を痛めて以来、痛みで寝付きが悪くなることが多いのだが、「うわ、これは痛い、こんなの眠れるわけがない。もう駄目だ。」と思っていても、いつの間にか眠っていたことに朝になって気づく、というのを幾度となく経験している。これがさらに痛みが強くなっ …
2016.2.1

Let the Episode IV be

ビートルズの “Let it be"、現在入手しやすいものでは、 ジョージ・マーティン版(シングル版) フィル・スペクター版(アルバム版) Naked 版 の3種類ある。これらのうちのどれが好きか、という質問に対して、「 …
2016.1.10

『ドラえもん』における「空き地」描写の変遷

『ドラえもん』に出てくる「空き地」、と言われれば、奥に土管が三本積まれた風景くらいはすぐに思い浮かべることができるに違いない。では、その空き地には他に何があったか、と問われると、すぐには思い出せない人も多いだろうし、その答も人によってまちま …
2015.12.24

プログラムを数学の言葉で理解すること

プログラミングを学ぶ過程において、抽象度の低い、コンピュータの現実の実装に沿った言語で学ぶべきか、それとも数学的概念からプログラムを理解できる、抽象度の高い言語を使うべきか。大学でプログラミングを教える立場からの考察だが、結論はない。ただただ、コンピュータという妖しい存在の、奇妙な面白さが好きだ、というしかない。
2015.12.12

水面GIFを使った錯視アニメーションの試作

水面gif が流行ってたのでやってみた。 二枚目のものは「サッチャー錯視」をやってみたものなんだけど、波紋効果が強過ぎたせいか、さかさまにしてみても違和感をあまり感じられない。
2015.11.25

身体で覚える

子供の玩具で、板に○や△といった形の穴があいていて、そこに同じ形の積み木を通すことができる仕掛けのあるものを、知育玩具売り場などでよく見かける。こないだ、そうした玩具の遊び方を大人が子供に教えているところを見かけて、ちょっと考えてしまっ …
2015.10.11

「『広辞苑』を散歩する」の「無洗米」批判を批判する

岩波書店が文庫本などに挟んでいるしおりで、「『広辞苑』を散歩する」と題した短文を載せたものがあるが、その中の一つで「無洗米」を取り上げている。『広辞苑』の第六版であらたに収録された言葉である。
2015.10.5

プロトコルの発生

赤ん坊の相手をしていると、こちらの身振り手振りの語彙がどんどんおかしくなっていく。 ちょっとむずかっているときとか、あるいは笑顔を写真に収めたいときなんかに、相手の気を引こうとしてさまざまなアクションをこちらは試すんだけど、その反応はこちら …
2015.6.7

人工知能とキャッチコピー

ちょっと前に「人工知能と創造的行為」という一文を書いた。キャッチコピーを人工知能が書けるか、という話題に対して否定的に書いたものなんだけど、「書けるよ」ってな話があがっていた。 Computers can now get you to …
2015.4.13

桜の花のつかまえ方

自宅の近くには見事な桜の大木があり、この時期はあたりの道路をピンクに染めるのだが、勤務先での新入生ガイダンスからの帰り道、近所の女子校の学生とおぼしき二人が、その樹から落ちてくる花びらを空中でつかまえる遊びをしているのにでくわした。思えば僕 …
2015.4.4

たいやきの耳

ときおり見かける、鯛焼のまわりに薄くついている生地の焼けたの、店によって「耳」と称しているところと「羽根」と称しているところがあり、いっこうに統一される気配がない。もちろん統一される必要性なんてまるでないのだが、しかし気になる。
2015.3.18

『孤独のグルメ』台湾版

台湾では漫画のタイトルが「孤独的美食家」。直訳だけどちょっと違う。面白いのは、同じ台湾でドラマが字幕スーパーで放送されることになったら、タイトルが漫画と違っていたことです。「美食不孤単」、つまり「おいしいものがあれば孤独ではない」と。こっ …
2015.1.26

「に」と「や」の間

朝顔や つるべ取られて もらい水 とは加賀千代女の句だが、若い頃はこの句を読んでも、日々の生活に欠かせぬ水場を朝顔ごときであきらめる筈がなく、机上の創作であり詠み手の心情の押しつけでしかないと決めつけていたのだけど、けさ顔を洗っているとき …
2015.1.22

トンデモ + アンビエント = トンビエント

記号に頼らずに環境にそれとなく情報を埋め込む「アンビエントもの」。ときおり珍妙なものが紛れ込むので、それに「トンビエント」という名前をつけたお話。
2014.12.2

人工知能と創造的行為

「東大准教授に教わる『人工知能って、そんなことまでできるんですか?」(松尾 豊, 塩野 誠) という本を読んでいるんだけど、その中に キャッチコピーくらいでしたら、それほど深い知識はなくとも言葉の組合せで作っていけますから、それをいったん提 …
2014.11.23

思考実験「日本語の地図」

先日、オーストリア人の友人に聞いた話。以前に彼が来日して新宿あたりを観光して回っていたときのこと。まだ当時はどこででも携帯端末から Google Map にアクセスできるような時代ではなく、みんな地図を持って移動していたのだが、道に迷ってし …
2014.10.13

コンピュータゲームにおける「カッコよさ」の規範

コンピュータゲームはしばらく、映画やアニメで観たあのシーンを体験可能なものとして再構成するという目標があった。しかしいまやゲームは映画に匹敵する一大産業になり、第一級メディアとして君臨している。となると、今後ゲームが規範とすべき「カッコよさ」はどこに求められるか。
2014.9.9

『Watch Dogs』感想

Ubisoft の期待の新作 Watch Dogs を、発売からだいぶ経ってしまったがようやく一通り終えることができた。さすがに Assassin’s Creed を開発した Ubisoft Montreal の作品だけあって、ゲームメカニ …
2014.9.9