残像ディスプレイによるセキュア光通信

華不魅『GLAMOROUS GOSSIP』に、上のような描写が出てくる(単行本5巻)。細かい説明はないので想像で補うしかないのだが、腕時計型のデバイスは残像ディスプレイになっていて、口座情報を秘密裏に相手に伝えることを目的としているのだろう。いまとなっては残像ディスプレイはかっこうの DIY ネタとなるくらい普及しているけど、これは雑誌掲載が1997年と、かなり先駆的。
もっとも、高速点滅する光を捉えられるのであれば、LED1個を単に点滅させて送受信できてしまうので、残像ディスプレイにする必要はない。あえてこの描写をアリにするとすれば、シリアル通信ではなくパラレル通信にすることで容量を稼いだものの、旧式のために眼のスキャンレートが追いつかない相手のために、残像を利用して読みやすくしてあげた、という理屈が考えられるか。
いずれにしても、タイミングさえあえば写真で撮れてしまうし、反射光から解析すれば傍聴できてしまうので、これ単体で通信をセキュアにするのは難しそうだけど。