カーナビ

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カーナビの地図では様々なシンボルが使われている。運転中にさっと見ただけでもその意味を読み取れるよう、注意深くデザインされている。例えばこの画面、消防署と警察署は、それぞれ消防車とパトカーで表現されている。地図記号の消防署や警察署ではわかりにくいし、かといって典型的な消防署のかたち、というものがある訳でもなく、これが一番わかりやすい、という判断だろう。

ところで、いまどきのカーナビだと、例えば道路の渋滞状況や工事区間の情報などが配信されてきて、すぐにそれが画面に反映されたりする。「この先渋滞が発生しています」などと告げられたのち、しばらく走ると実際確かに渋滞していたりする。そんなものだから、この画面には現在の道路状況が時々刻々と反映されているような気になってくる。

すると途端に、画面に消防車やパトカーが表示されていると、実際にその道路上を消防車やパトカーが走っているんじゃないか、というように見えてきてしまうのだ。

まさか走行中の車まで表示する機能なんてありゃしないよ、というのはわかっているつもりなのだが、一部タクシー会社のアプリでは周辺を走行しているタクシー位置を表示する機能がすでに実装されていたりして(参考:東京無線タクシーアプリ)、あながち不可能とは限らない状況にすでになっている。

シンボルやピクトグラムのデザインは、ちょうど我々が日常会話で交わす言葉のように、世の動きに応じて、はやりすたりを吸収しながら、とどまらずじわじわと変化し続けるものであるべきなのだろう。